modoの「センター」と「ピボット」について書いてみます。とりあえず他の3Dソフトで言う「ピボット」を編集したい場合、modoでは「センター」を使っておきましょうという話です。
modoはアイテムモードで移動/回転/スケールするとき、メッシュのどの位置を基点にするか指定する機能として「センター」と「ピボット」という2つの要素があります。「センター」はメッシュの基準となる位置、「ピボット」はセンターからのオフセット位置と、アイテムを移動/回転/スケールするときの基点となる位置として使用されます。
ピボットはセンターからのオフセットとして動作しています。
センターはアニメーションできませんが、ピボットはキーを設定してアニメーションしたりリギングに使用することができます。
■ サンプルファイル
modoのピボットはトランスフォームアイテムです。ピボットの位置を編集するとピボット用のトランスフォームアイテムが追加されます。ピボットを編集しない場合はセンターがピボット位置として機能します。
トランスフォームアイテムの計算順はチャンネルビューポートで確認することができます。
ロケータで親子関係を設定すればピボットを直接アニメーションしなくても同じようなことができますが、サイコロを転がすようなアニメーションの場合は、ピボットを使用した方がアイテムリストがスッキリしていいかもしれません。
ちなみに、メッシュの中心にセンターやピボットを移動したいときは、専用のコマンドがあるので便利です。
とりあえず「センター」を使うとよい
他の3Dソフトを使用した経験があると「センター」と「ピボット」の関係が少しややこしいですが、回転などトランスフォームの基点になるという意味ではmodoも他のソフトと同じで「ピボット」が使用されます。ピボットのオフセット位置を計算するための基点として「センター」という概念が導入されているのだと思います。
それでは他のソフトのピボットと同じような感覚で、modoのピボットを使用すればいいかと言うと違います。理由は以下の通り。
- modoはFBX出力するときにセンターをピボットとして出力する
- modoのリジッドボディダイナミクスは回転の基点にセンターを使用する
他のソフトやゲームエンジンとの連携を考えると、ピボットを直接アニメーションしたいとき以外は「センター」を編集した方が何かとトラブルに遭遇しなくてすむと思います。
Foundryのフォーラムで「センターはピボット、ピボットはピボット オフセットに名称を変更した方がいい」という書き込みを見かけましたが、確かにその方が他のソフトを使用してるユーザーにはなじみがいいように思いました。
3dsMaxやLightWaveなど設計の古いソフトはピボットをアニメーションすることができませんでした。このためセンターという概念や用語がありませんでした。
MayaやMaxのプラグインBipedやCAT、Messiahなどアニメーションに強いと言われるソフトはピボットのアニメーションに対応してる場合が多かったように思います。modoの「センター」と「ピボット」はその辺りをふまえた設計なのかもしれません。