開発終了が発表され最終版となる Modo 17.1v1 がリリースされました。
また、Modo 16.1v9 もリリースされました。16.1v9ではmacOS用にライセンスの更新が入ったようです。
https://community.foundry.com/discuss/topic/163666/final-release-modo-17-1v1-and-modo-16-1v9-are-now-available-for-download
https://learn.foundry.com/modo/17.1v1/content/release_notes/17/modo_17.1v1_releasenotes.html
17.1 の機能は 0:56 から始まります。扉が閉じるの悲しい…
新機能と機能強化
ツールの更新
- Radial Align、Linear Align、Primitive ジェネレータが強化され、曲線や丸みを帯びたジオメトリの形状が改善されました。
ラジアルアラインとプリミティブジェネレータに新しい指数オプションが追加され、リニアアラインに元の曲線を保持するオプションが追加されました。さらに、立方体、円錐、円柱、カプセルのプリミティブにバルジオプションが追加されました。 - スライドツールは、エッジおよび頂点コンポーネントモード用の1つのツールに統合され、新しいアダプティブハンドルが追加されました。
- ベンドツールに Both Sides オプションが追加され、スパイン ベクトルのプラス側とマイナス側の両方を変形できるようになりました。
プロシージャルメッシュのメッシュクリーンアップ
プロシージャルなメッシュを扱うために、メッシュ・クリーンアップのメッシュ演算子バージョンが追加されました。
UIリフレッシュ
カラーパレットをよりダークでフラットなグレーに変更し、角丸やボタンの背景を削除し、ModoのUIをモダンにします。
改善された統合
OctaneRender Primeプラグインの機能がModoレイアウトで直接利用できるようになりました。
さらに、ZBrushとModo間でアセットを簡単に転送できるGoZキットがアップデートされ、Modo 17.1にバンドルされました。
タイムラインとアニメーションツール
オートキャラクターシステム(ACS)がModoにバンドルされました。ACSのリギングとアニメーション機能をよりシームレスにModoに組み込むための作業が行われました。これには、アドバンスアニメーションツールを組み込むためのModoレイアウトの更新、タイムラインのACSツールバー、新しいリグ垂直タブ、リグメニュー、ACSヘルプオプションが含まれます。
ナビゲーションと可視性
ハイブリッドモードと呼ばれる新しいマウス入力デバイス設定が追加され、運搬アクションのためにマウススタイルを活用し、すべてのビューポートナビゲーションのためにタブレットスタイルを活用します。さらに、ビューポートがカメラビューに設定されている場合、カメラのフレーム領域を表示するための新しいオプションがあります。
パフォーマンス
描画キャッシュ、ウェイトペイント、マルチスレッド描画のパフォーマンスが改善されました。
マルチスレッド描画(Multi-Threaded Drawing)を環境設定で有効にすることで、ビューオブジェクト処理が複数のバックグラウンドスレッドを利用できるようになりました。
ついに最終版となるmodo 17.1v1がリリースされました。新機能には細かく書かれていない変更と、気に入った機能を書いてみます。
modo 17.1では起動スプラッシュが追加されました。
プリミティブ「バルジ」オプションが追加されました。これはスーパー楕円(ラメ曲線)を使用た変形機能です。
iOSの角丸アイコンは単純な角丸ではない事が広く知られていますが、iOSのような角丸を簡単に作る機能です。下の画像左は単純な角丸のボックス、右はシリンダーのバルジオプションを編集した角丸です。
厳密にはiOSの角丸と全く同じではありませんが、似たような角丸形状を手軽に作れるのはデザイン用途で便利だと思います。むしろIllustratorやAffinity Designerに追加して欲しい機能です。
他にもリギングツールのACS3が標準搭載されたり、アニメーション関連機能の強化が行われています。
環境設定に追加された「Multi-Threaded Drawing」を使用すると、オブジェクト数の多いファイルの読み込みが劇的に改善します。
カメラにもオプションが追加されています。
- カメラのフレーミング領域を表示
- カメラフレーミングカラー
- カメラフレーミング不透明度
HIDPI 対応の一環としてイベントログが再設計され、Qt ネイティブに変更されています。あまり使わないので恩恵はない。
描画キャッシュのパフォーマンス改善について、ベータ版のリリースノートに詳細が書かれてたので貼っておきます。
描画キャッシュ
これは、GLビューポートの再描画を高速化するための最初のパスです。これは基本的に、マウスを動かしたり、ビューポートを移動したり、何かを変更したりするたびに発生します。 たくさんのアイテムや、たくさんのアイテムにたくさんの異なるマテリアルがあるシーンでは、Modoは各アイテムを再描画するためのすべての詳細を収集するのに時間がかかっていました。 そのため、アイテムごとに、次のようなことをしなければなりませんでした。
- 選択されているかどうか、マウスがその上にあるかどうかを確認し、それに応じてワイヤーフレームの色を更新する。
- そのアイテムにマッチするGLジオメトリをキャッシュから見つけ、更新されたワイヤーフレームとペアリングする。
- 別のキャッシュからそのアイテムのトランスフォーム行列を見つけ、それを他のものとペアリングする。
- などなど。
そして、すべての情報が集められると、描画するためにグラフィックカードに渡されます。
17.1のドローキャッシュは、それらの情報をすべて一か所に保存し、再描画時にすぐにカードに渡して描画できるようにします。 多くのアイテムがあるシーンや、多くのマテリアルを持つアイテムでは、これは物事を大幅にスピードアップさせることができます。
残念ながら、シーン全体を再構築するようなシェーダツリーの変更、少数の本当に重いメッシュしかないシーン、再描画自体(何も変更せずにシーンを移動すると考えてください)が遅い場合などは改善されません。再描画が遅ければ、他のすべても遅くなるので、これは私たちが最初に取り組んだことです。
また、SDKに新しいAPIが追加されているとのことです。
SDKのドキュメント
サブセット評価器は、シーンの完全な評価グラフのサブセットのみを迅速に評価する手段です。 Evaluatorは、評価グラフの値に必要な入力を入力し、要求された出力の値を計算するためにそれ自体を評価します。ユーザが入力として明示的にマークしていないチャネル値が使用される場合、エバリュエータの作成に使用された評価オブジェクトからキャッシュされた値が使用されます。 エバリュエータはmodoのすべての 「operator 」修飾子の基本であり、入力のチャンネル値を繰り返し変更することなく、属性ごとのデータを計算することができます。これらはシーンサービスを通して作成され、フォールバックキャッシュとしてILxEvaluationオブジェクトを必要とします。
以上、modo 17.1で気になった機能と、新機能の補足でした。
ビルドバージョンはRC 2と同じ251515で、響きがいいのでこの数字になったようです。modoチームは最後まで将来に繋がる改善を行っており、これが最終版となると何とも言えない気持ちになります。modo 17.0はランダムにクラッシュしていましたが、17.1はだいぶ安定しているとの情報があります。暗いUIが気に入った方は17.1を使ってみるといいかも知れません。
modoは 毎年春にメジャーバージョンアップしていたので、まだメンテナンス契約期間中の人がそれなりに居ると思います。できれば来年の春まで開発を継続してmodo 17.2をリリースして欲しかったです。
Pixel FondueのGregさんはmodoの将来についてFundryに対話を求めていましたが、Pixel FondueのDiscordでFundryと連絡がついたとの話がありました。近々その内容についてライブストリームを予定しており、今後どうなるのか気になります。