Maxon 2025年春のアップデートがリリースされました。
https://www.maxon.net/ja/article/maxon-one-release-delivers-greater-creative-freedom-and-workflow-performance-for-every-artist
https://note.com/maxonjapan/n/n5da9df9337db?sub_rt=share_pw
目次
Cinema 4D 2025.2
業界トップの人気を誇るモーショングラフィック制作ツールCinema 4Dは、モーショングラフィックをワンランク上へと昇華させる新しい革新的なスプラインツールと改良されたシミュレーション機能を提供します。
カメラに向くタグの改善
オブジェクトが常にカメラに向く機能に、常にカメラに対して垂直にする機能が追加されました。これにより上から見たときやオブジェクトが画面の端に来た時でも、オブジェクトが傾くことがなくなり、地図にピンを置いたシーンでも常に垂直になるようになりました。
6種類のスプラインモディファイアがCinema 4Dユーザーに開放
これまで、Maxon Oneユーザー専用だったRocket Lassoの6種類のスプラインモディファイアがCinema 4Dユーザーにも開放され、デフォーマメニューに追加されました。
スプラインの分岐、破線の作成、放電効果、垂れ下がり効果などを簡単に作成できるようになりました。
パーティクルのアップデート
パーティクルもいくつか改善があります。
パーティクルエミッターにハンドル
パーティクルエミッターにハンドルが追加され、直感的にエミッターサイズやパーティクルのスピードが調整できるようになりました。
パーティクルの分布の調整
パーティクルの発生位置がノイズやフィールドの値に基づいて指定できるパラメータが追加され、より自然な分布が実現可能になりました。
パーティクルの近傍検索の精度がアップ
近接しているパーティクルを探す近傍検索が3つのモードから選べるようになり、合成、捕食者被食者、フロックモディファイアで、特にパーティクル密度が高いシーンでより精度が高く計算できるようになりました。
固定モードは従来のバージョンと同じで、ダイナミックが精度とパフォーマンスのバランスを取ったモードで、フルは最も精度が高いですが、計算コストが非常に高くなるため、使用するシーンやパーティクル数に注意が必要です。
カスタムプロパティのマニュアル管理がしやすく
- 出力に合わせて自動的にプロパティが追加されるため、作業の手間が減り、ミスも減らせるようになりました。
- UIが整理され、どのプロパティが何に使われているか視覚的に把握しやすくなりました。
- 一部プロパティ(Timer や Substep Counterなど)には、動的な制御やトリガーとして便利なプリセット動作がついているため、シミュレーション表現の幅が広がります。
パーティクルキャッシュの改善
パーティクルキャッシュの補間は、これまで線形補間のみでしたが、新しいモードによりより自然なスローモーションやリタイミングが行えるようになりました。
- 3次 → 動きに勢いがつきますが、オーバーシュートで跳ねすぎる場合あります。
- 3次モノトーン → カーブで補間しつつ、オーバーシュートを抑制します。安定した動きを保ちつつ滑らかにしたいときに便利です。(例:精密な制御が必要なシーン)
- 線形 → 処理軽いが、直線的でカクツキがでることがあります。
今後の予定
NAB Showでは、開発を進めている液体シミュレーション機能を紹介しました。
Cineware for Unreal Engine
合理化されたアーティストが使いやすいワークフローでCinema 4DのシーンをUnreal Engineにシームレスに取り込めます。
少ない操作でアセットやマテリアル、ライトやアニメーションをインポートできるため、クリエイティブな作業に集中できます。
完全にリギングされたキャラクターとスケルトンアニメーションを簡単に転送できるため、スムーズなプロダクションパイプラインを徹底できます。最小限のセットアップで、没入感のあるゲーム環境と映像シーケンスを制作できます。
Redshift 2025.4
Maxon ノイズの回転パラメータ追加
Maxon Noiseシェーダに回転パラメータが追加され、ノイズの模様を任意の方向に回転させることができるようになりました。これにより、木目や模様の向きをコントロールしやすくなり、より自然な質感表現が可能になります。
OpenPBRへの対応
OpenPBRは、映画やVFX業界で使われる標準的なマテリアル仕様で、Redshiftでも新たに対応しました。これにより、よりリアルな質感を簡単に作成できるほか、他のソフトとの互換性も向上します。主な特徴は以下のとおりです。
新しいEON 拡散モデルの追加
Redshiftに新しく「EON(エネルギー保存型オレン・ネイアー)」という拡散モデルが追加されました。これは、物体表面の“光の散らばり方”を制御するためのアルゴリズムで、よりリアルな質感を表現できるのが特徴です。
- 従来の拡散モデルよりもより自然でソフトな見た目を実現
- 物理的に正確でありながらパフォーマンスに優れる
- 特に布・肌・石材などマットなマテリアルで効果を発揮
- 他のモデル(オレン・ネイアー)との切り替えが可能
拡散反射表面粗さを0.8にしたとき、左のオレン・ネイアーは、明るい部分も暗くなっていますが、EONだと明るい部分で元のベースカラーを保っています。
ヘアへのポイント単位属性の対応
髪の毛(ヘアー)に対して、1本ずつ色やスカラー値(数値)を設定できるようになりました。これにより、ヘアカラーのグラデーションや風になびくような動きに応じた属性制御が可能になります。
USDファイルのバリアント対応
USDファイルに複数のバリエーション(例:異なるマテリアルや形状)をまとめて保存し、Redshift内で切り替えが可能になりました。プラグイン上でもドロップダウンで簡単に選択でき、ビューポートにも反映されます。
- 異なるLOD(詳細度)やマテリアルの切替が簡単
- 複数のバージョン管理に便利
- Houdini、Katana、Hydraでも対応
Alembicファイルのプロキシ読み込み(Maya)
MayaでAlembic(.abc)ファイルをRedshift Proxyとして読み込めるようになりました。複雑なアニメーションやシミュレーションデータの扱いがより軽快になり、大規模なシーンでもスムーズな作業が可能です。
BlenderでのRS Proxy機能拡張
BlenderでのRS Proxy(プロキシファイル)機能が強化されました。出力ファイル名や保存先、カメラの含有有無など、細かい設定が可能になり、複数のシーンやレンダーレイヤーを使った制作に便利です。
Cinema 4Dでのビューポートマテリアル表示向上
Cinema 4Dのビューポート表示が、マテリアルのベイクによってよりリアルになりました。特に複雑なマテリアル構造も正確に表示され、作業中の見た目とレンダリング結果の差が少なくなります。カラースプリッターによるアルファチャンネルもビューポートで正しく表示できます。
上図のように色合成など複雑なマテリアルの場合、従来はビューポートでは真っ黒になってしまいました、新しいベイクモードではテクスチャが確認できるようになりました。
この設定は、一般設定のレンダラーのRedshiftにあるマテリアル変換で、ドラフトとベイクを切り替えることができます。ベイクにしている場合、過去のファイルを開いたときにマテリアルをすべてベイクするため、時間が掛かるので注意してください。
USDマテリアルの複数上書き対応
USDファイル内の複数のマテリアルを、シーン内の任意のマテリアルで個別に上書きできるようになりました。これにより、再利用やバリエーション
MayaでのRedshiftマテリアルプレビュー対応
MayaのHypershade内でRedshiftマテリアルのプレビューが可能になりました。これにより、マテリアルの仕上がりを確認しながら編集でき、ワークフローが効率化されます。
V-Ray / Coronaマテリアルの変換対応(3ds Max)
3ds Max上で、V-RayやCoronaのマテリアルをRedshift用に自動変換できるようになりました。変換ツールを使用することで、既存シーンのRedshift化がスムーズになります。
完全に同じ結果にはなりませんが、VRayで72分かかったレンダリングが、レンダリング時間はRTX 4080を使った場合、5分で完了しました。
VRayでのレンダリング時間:72分
Redshiftでのレンダリング時間:5分
対応内容
- 対応マテリアル:VRayMtl、CoronaPhysicalMtl など多数
- 対応テクスチャ:VRayHdri、CoronaAO、CoronaMixなど
- 対応ライト:VRayLight、CoronaLight など
※Subsurfaceやディスプレイスメントの精度には制限があります。
ZBrush2025.2
ZBrush2025.2デスクトップ
デスクトップ版にも、新たなプリセットや改良されたエッジループの挿入のスナップコントロール、改善された選択モードなど、大幅なアップデートを追加。今後も、プラットフォームを問わずクリエイティブの可能性を拡大し続けます。
Redshiftのサポートが改良され、ZBrushから直接コンセプトレンダリングを高いクオリティででき、視覚化を向上できます。
ZBrush for iPad 2025.3
外でも本格モデリング!ZModelerがiPadに登場
大人気のZModelerツールが遂にiPadで利用できるようになりました。UIはiPad向けに一新。iPad版があれば、外出先で最先端のポリゴンモデリング機能をご利用いただけます。
ナノメッシュがiPadに対応
パフォーマンスを損なうことなく、ひとつまたは複数のモデルをポリゴンメッシュにシームレスに配置できるようになりました。
使いやすくなって搭載されたUVマスター
デスクトップ版の機能を取り入れながら、UVマスターはワンクリックで3Dモデルのアンラップを行うシンプルなソリューションを提供し、アーティストはUVマッピングをより手軽に行えます。
このツールは、詳細なスカルプトやテクスチャ作成のために、サーフェスノイズ、テクスチャマップ、UV対応のIMMブラシ、ディスプレイスメントマッピングのシームレスな使用を可能にすることで、ワークフローを改善します。
ZBrushとCinema 4D間のシームレスなワークフローにより、モバイル版とデスクトップ版のワークフロー間のスムーズなパイプラインを徹底します。
Red GiantがDaVinci Resolveへの対応強化
MaxonはDaVinci Resolveのサポートを拡大し、次のプラグインが使えるようになりました。
Real Lens Flares
映像のリアルさを向上するため、現実世界のレンズの特性に基づくリアルなレンズフレアを叶えます。
Optical Glow
スムーズで映画のような光の効果をプラスします。ネオンサインやSFのビジュアル、洗練されたビジュアルの改良に最適な機能となります。
Magic Bullet Looks
プロ仕様の本格的な色補正と映像スタイルを簡単に適用し、クオリティの高いカラーグレーディングを叶えます。
Universe
動画エフェクトやクリエイティブなトランジション、スタイライズエレメント(VHSとBokehなど)のコレクション。
今後の予定
NAB Showでは、開発を進めているMaxon Studioでオリジナルのカプセルを作成できる機能を紹介しました。