「銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱」のメイキング記事が公開されています。
https://cgworld.jp/feature/201909-gineiden01.html
https://cgworld.jp/feature/201910-gineiden02.html
平均すると1話あたり2〜3ヶ月でつくらないといけませんでした。1話およそ300カットで構成、多いときは、そのうちの240カットくらいでCGが用いられています。
12話のうち戦闘などCGが多い話数は3話くらいで、それ以外の話数ではポイントとして使われています。後は、3Dレイアウトを使っているシーンもあるので、そういうものも含めるとCGが使われたのは各話平均160カットくらい。
メインツールは3ds Max 2016、レンダリングにはencil+ 4を使用。mental rayで各素材を追加し、エフェクトでFumeFX、FROSTも使用。
CGスタッフの布陣としては、ディレクター1名、テクニカルディレクター1名、モデラー1名、CGアーティスト2名、VFXコンポジター2名、モニターグラフィックス2名、ほかに外部委託。
ブリュンヒルト(銀河帝国)&ヒューベリオン(自由惑星同盟)
3Dモデルの数はかなり多くメインとなる戦艦は銀河帝国19艦、自由惑星同盟24艦、合計43艦。車両系は銀河帝国3機、自由惑星同盟16機、モブが8機、3Dレイアウトは銀河帝国で4つ、自由惑星同盟で6つ、さらにイゼルローン要塞関係で3つ。
第2話に登場する自由惑星同盟の戦艦の壊れモデルをつくり込み、それを基に壊れテクスチャを作成して、各艦に貼り付けました。爆発の後の飛び散る部品は200個くらいあります。これをアセット化して、好きに飛ばしてもらいました。
求められた巨大感とエフェクトの試行錯誤
スタートはセル調の質感にしました。一番下にセル調の素材を置いて、金属質感の反射素材を何パターンかと、影の強調としてのオクルージョン素材、そしてルックで一番肝となる間接照明を足しています。
試行錯誤した流体金属
設定を活かして作成された壊れモデル
壊れた戦艦の3Dモデル。これを基にダメージテクスチャが作成され、それを各戦艦に貼って対応している
アンビエントオクルージョン、ライン、ダメージライティングのみ載せた状態
壊れた戦艦を使用した実際のカット
重力ドライブの設定を活かしたワープ表現
エフェクト表現の試行錯誤
ビームの表現
戦艦ごとにアセットを用意し、Particle Flowでビームが発射されるようになっている
ビームが当たった際に起こる爆発等の反応は、自動生成されるしくみ。中景は直撃した箇所を中心に爆発+誘爆、遠景は至近弾でビルボード爆発が発生する。
流体金属の表現
流体金属は澄んだ水面がイメージされた。入射角が深くなれば透き通って見え、浅くなるにつれて流体自体の色味の反射で内部が見えなくなっていく
流体金属越しにビームを発射した際のエフェクト
シーン制作のながれ
宇宙空間の広さを表現するために、距離のちがいによる相対速度を意識
シーン制作における3Dレイアウト
第2話カット39で用いられた3Dレイアウトの例
背景表現〜2Dの場合〜
AE上でBG素材をスライドさせて表現。