参考資料

「天気の子」メイキング記事

映画「天気の子」のメイキング記事が公開されてます。
https://cgworld.jp/interview/201909-tenkinoko01.html
https://cgworld.jp/interview/201910-tenkinoko02.html
https://cgworld.jp/interview/201910-tenkinoko03.html
https://cgworld.jp/feature/201910-254-tenkige.html

色彩設計篇

色彩設計のプロセスは、一般的に美術ボードに合わせてカラーモデルをつくるが、新海監督はOKとなった美術背景に合わせてカットごとにセル(作画のキャラクターや小物)の色をつくる。

求めるのはカメラを覗いて"あっ!"となるような画づくりです。仕上がった美術背景に対して、どこに光の重きを置くか、色の面積はどれくらいか、どんな気分を出すのか、計算してセルの色をつくることで、やっと本番の色が出せます。

 

VFX篇

本作は雨などのエフェクト素材がたくさん必要だったため、李氏が専属で担当し、さらに作業者が増員されて、雨をはじめとした新しいエフェクト表現を作成する「VFXチーム」を構成することになった。

汎用素材やカット専用素材など、数えられないほどの雨素材が用意され、降雨だけでも数十種類、パースごとに大きさを変えた跳ね返りも数十種類、さらに水面の波紋や雨飛沫、ガラスの雨だれなど、圧倒的な数の雨素材が準備された。

雨素材のほかにも、空の魚や花火、舞い上がる葉、海面など、画面を構成する様々な要素でVFXが用いられている。

 

撮影篇

スケジュールの厳しいTVシリーズは、ある種のシステマチックさが求められ、時間の制約から及第点で放送を迎えることもしばしばあるという。
対して何年もかけてつくる劇場作品は、修正を重ねる時間がある。特に新海監督作品は劇場作品の中でも例外的で、一度FIXした絵コンテを変更したり、全カットを新海監督がチェックした後に色決めを行なったりと、かなりイレギュラーなフローだ。しかし、新海監督がつくりたいものをセオリー度外視で目指す。

 

「Google Earth」の活用

本作ではGoogle Earthをかなり活用している。実在する場所を舞台に作品が描かれているからだ。しかし、現実世界が期待通りのレイアウトになっているわけではない。そこで、Google Earthを駆使して美術背景を描くなどの手法が採られた。

一方でGE Studioには電柱などの細かい造形物は載っていない。GE Studioだけでは実際の街並みの雰囲気を細部までくみ取れないところもあり、実在する街を本物のカメラで撮っている空撮写真から3Dモデルを起こし、美術背景をカメラマップで投影するなどの手法も採られている。最終的に本作では、約70カットでGoogle Earthが活用され、従来よりも効率良く、また正確に東京を描けたそうだ。

Google Earth ProとGoogle Earth Studioの活用

Google Earth Studioのキーフレーム設定

カメラが回り込む雨の東京のカット。このカットの場合、複雑なBOOK分けが必要であった。そこでGE Studioで街並みが回り込む様子をキーフレームで打ってアニメーションさせ、分ける階層を精査した上で、最終的に回り込む街並みを再現した。

シェイプレイヤーの応用

ビルを分ける際にGE Proで作成したシェイプレイヤーをマット代わりに活用してビルを分割している。

Google Earthのデータのやり取り

GE ProとGE Studioは互いにデータのやり取りができる。

ロケハンの場所探しで活用

ロケハンの選定には、主にGoogleマップ上の3D表示で行いました。ピンを打った場所をスタッフ間で共有。

空撮のアングル探りで活用

ポイントにGE Pro上でピンを打ち、空撮の際、カメラマンと共有して撮りたい場所やアングルを伝えるなどしていた。空撮映像から3Dモデルを起こすことで電柱などの細部までを再現し、美術背景に反映したカットもある。

自由度の高いカメラ設定と様々なシーンでの活用

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