TVアニメ「あんさんぶるスターズ!」のライブシーンのメイキング記事が公開されています。https://cgworld.jp/feature/202001-cgw256t1stars01.html
https://cgworld.jp/feature/202002-cgw256t1stars02-2.html
制作はデイヴィッドプロダクションが担当、C3Dモデル&アニメーションでマーザ・アニメーションプラネット、質感でサムライピクチャーズ、ほか各社の協力を得た布陣となっている。
作業は2018年7月頃からビジュアルテストを開始し、複数話オーバーラップしながら、1話につき1ヶ月ほどで制作。表情や目線などの修正ができない問題もあったが、CGと作画のハイブリッドを得意とするディヴィッドプロダクションでは、CG素材出力後、デジタル作画チームがその素材の上から作画で修正することでクリアしている。
キャラクターモデル
バーチャルライブ用の3Dモデルにモーションキャプチャしたアニメーションをながし込み、揺れもの調整や表情付けなど細かいセカンダリ作業まで完了した状態の3DモデルをAlembicでコンバートして調整した。
セル調の質感に寄せたアニメ用モデル
作画の質感に合わせ、3ds Max上でマテリアルやPencil+のラインを割り当て、セルシェーディングの質感調整を行なった。
ジャケットのUV。1枚あたり基本1,024×1,024pixel、マスクも含めて32枚のテクスチャが使用されている。
出力素材はベースのカラー、ハイライト、影、ライン、フォールオフ、マスクなど約10種類。マイクパフォーマンス用にマイクも別に出力された。
ライブアニメーションの調整
膨大なポイントキャッシュされたAlembicデータとマテリアルがアサインされた本番モデルがかなり重くなったため、極力レイアウト時に必要のない要素を排除したレイアウト用モデルで作業して、カメラワークなどを付けながら精度を上げていき、レンダリング時に本番モデルと差し替えることで対応した。また、基のデータは60フレームだったため、アニメ用に24フレームに変換している。
表情や目線は二値化したのっぺらぼうのCG素材にデジタル作画で顔を描いて対応するフェイシャルカットを選定。影響が少ない顔だけ作画し、作画の線にCGのラインを合わせるなどの工夫もされている。
ライブシーンをつくるながれ
- バーチャルライブの収録モーションを参考に絵コンテを描く
- ビデオコンテでカメラワークを付け、CGと作画の振り分けを行う
- カメラワークを決定。アニメーションデータはいじれないため、演出でいかに上手く魅せるかがコツとなる
- エフェクトなども加えてコンポジットし、撮影処理を加えて完成
キャラクターの配置調整とカメラワーク
バーチャルライブ用のデータは、会場である正面から捉えたカメラを想定しているため、見えない部分の揺れものがついていないことがある。そのような場合、その部分が映らないようにカメラワークが工夫された。
キャラクターの配置を調整した3ds Maxの作業画面
デジタル作画(CACANi)を用いたフェイシャルカット①
二値化したCG素材に、CACANiで描いた作画素材を合成するフェイシャルカットの例
デジタル作画で顔のみ描いた場合、輪郭がCG素材と合わなくなることがある。【CACANiで描いた作画素材】では、耳の後ろ等を髪色で塗りつぶすことでCG素材との輪郭のずれを作画側で解消した。
このカットでは、首下の落ち影も当初は作画で描いていたが、朔間 零は髪の毛が首にかかる髪型のため、首下の肌色と首に落ちている影の隙間はAfter Effectsのマスクワークで馴染ませている。
デジタル作画(CACANi)を用いたフェイシャルカット②
CG素材が作画素材の外にはみ出してしまった場合の輪郭の処理例。基本的に、CG素材がはみ出してしまう部分は作画で描き、仕上げまで行なっているが、マスクまで描いてAEで合成することもある。
CG素材と作画素材を合わせた状態。CG素材の方が作画素材より輪郭が大きいので、はみ出てしまっている。
PICK UP モニタワーク
CGで描くステージ&観客
作成されたBGモデルは12種類。モデリングサイズはリアルスケールで、ライブ会場は講堂がメインだが、野外ステージなども存在する。本作のライブシーンでは、通常のアニメ制作で描かれる美術ボードがなく、絵コンテをベースに3Dモデルからイメージボードが作成され、そのイメージボードがOKとなったらテクスチャ制作というながれで進められた。
観客モデルはMayaでモデリングし、MotionBuilderで動きを作成し、群集ソフトのAnimaで配列している。
CGで作成されたステージ&観客
ライブシーンは講堂を中心に3DBGが用いられた。
数千人規模にも対応した観客モデル
シーンをリッチにする演出として、観客は3Dモデルを配置して表現された。
野外ステージなど、大規模会場では観客モデルを板ポリゴンに貼り込み、3ds MaxのParticle Flowで配置している。
演出で魅せるライブシーン
『百花繚乱、紅月夜』紅月
『Melody in the Dark』UNDEAD
ステージは原作準拠ということもあり、絵コンテの演出が全てできるわけではないが、工夫しながらできるだけ派手な演出ができるように構成されている。
『Rebellion Star』Trickstar
『終わらないシンフォニア』fine
作画とのハイブリッドとなるフェイシャルカット。当初は作画の線に合わせるために、CG素材のラインを少し太くしていたが、CACANiチームからCGのラインに挑戦したいと提案があり、現在はCGのラインに作画が線を合わせているという。