TVアニメ「神田川JET GIRLS」のメイキング記事が公開されてます。
https://cgworld.jp/feature/202005-kjg1-3.html
https://cgworld.jp/feature/202005-kjg2-3.html
ジェットマシンに乗る少女たちの肉感を徹底追求
とろんとした肉感を表現するための繊細なリテイク
同社への発注は今回が初めてだったこともあり、かぐやの制作には特に時間がかけられ、完成までのテイク数は16におよんだ。
テイク5
テイク6
テイク8
完成モデル
各々の体型やサポーターのデザインに応じたメッシュ分割
肌と布の境目が平らにならないよう、体型やサポーターのデザインに応じたメッシュ分割がなされている。
サポーターに肩紐がないデザインなので、やや締め付けが強いであろうという想定の下、ギュッと寄せて上げた胸の肉がサポーターの上部に乗っている様子が表現されている。背中の紐のくい込み具合も、ほかの少女たちよりきつめに表現されている。
一番難しかったのは、ジェットスーツの模様の再現
スムージング グループのIDの境界を色分け。
マテリアルIDの境界を色分けしたもの。2種類のIDを駆使して、Pencil+ 4 for 3ds Maxによるラインを描画している。折り目(Crease)も使用しているが、ターボ スムーズの設定により、ラインが出ないようになっている。
不必要なラインは、頂点カラーのRGBマスクで消している。
ちがう体格の少女間でも流用できる、セパレート構造のリグ
リギングの際、サムライピクチャーズではBipedを多用してきたが、本作ではマッドボックスの仕様と自社のノウハウを組み合わせ、フルスクラッチでリグを設計し、ほかのスタッフと手分けして、3Dモデルごとの調整を行なった。
腕・脚のリグは関節の移動による伸縮が可能で、ほかのリグからセパレートできるようになっている。
本来のプロポーションのままでは手がハンドルに届かないため、腕・脚を伸ばすことで、自然なポーズを実現している。
かぐやのリグ
1〜5のリグはセパレートできる構造になっており、ちがう体格の少女間であっても流用可能。それぞれ、1 胸、2 顔、3 肘・尻・膝、4 手、5 腕・脚を制御するためのリグ。どれも単独で成り立っているため、対応するパーツの位置に合わせ、コンストレイントやリンクの紐付けを行い、順序に沿って組み合わせることで、同じ構造のリグを作成できる。
腕・脚のIKと、6 スケルトン、7 コスチューム、8 髪を制御するためのリグは固有となっており、各少女の体型やデザインに合わせて作成した後、前述の1〜5のリグを追加している。
コントローラも少女間で流用できるよう、あらかじめサイズ調整がなされている。ただし、サイズが規格外の黒丸は、個別に調整を施している。一方で、カップA65のパン姉妹は胸を動かす必要がないため、胸のリグは設定していない。
SpringMagicと2種類のコントローラを併用し、胸の弾力を表現
2本の細長いボックスはSpringMagicで胸を揺らすためのボーン。SpringMagicを使うと全フレームにキーが打たれるため、コントロール用のボーンと分けている。
左右の大きなボックスは胸のベースボーンで、胸のスキンを割り当てており、表示のみでコントロールはできない。黄色サークルはベースボーンのコントローラで、移動によって先端側を制御する。回転・スケールはできない。
赤色サークルもベースボーンのコントローラで、移動・回転・スケールによって体幹側を制御する細長いボックスを移動させた場合。黄色サークルは先端側にリンクされている。このボックスにSpringMagicを割り当てるだけでも、効果的な揺らし表現が可能。
体幹側へ押し込むと胸が縮む。制御下に置けないため、自動でスクワッシュする機能はない。黄色サークルを上に移動させた場合。胸の向きの調整が可能。
赤色サークルにスケールかけた場合。胸の大きさの調整や、スクワッシュ表現のときに使用する。ジェットマシンに胸を押しつけるときなどにも有効。
赤色サークルを上に移動させた場合。胸の体幹側の移動に使用。質量を意識した胸の誇張表現などに用いると効果的。
赤色サークルを回転させた場合。胸のねじりの制御に使用。鎖骨のボックスを移動させると、直下の胸も自動的に追従する。
ジェットマシンの変形ギミックやテクスチャ削減も提案
デカールのRGBの値をRGBマスクで指定し、3ds Maxで本来の色を描画することで、テクスチャ枚数を減らしている。
ジェットマシンの変形リグで、画になるレイアウトを実現
少女の腕・脚と同様に、ジェットマシンにも、各所が伸縮したり、グネグネと曲がったりする変形リグが設定されている。
本来は変形しない設定のガンナームーブ(シートの両サイドにある棒状のパーツ)やシートを変形させることで、珠風に乗るかぐやがより魅力的に映る画づくりを実現している。
ガンナームーブが左右非対称になっており、のカメラに映っている方(向かって右側)の先端が上に移動している。加えて、本来はガンナームーブに対して平行なはずのシートも大きく傾いている。