Cinema 4D 2024がリリースされました。パフォーマンスの大幅な向上はよさそうですね。
また、9月13日から新しいユーザーライセンスが適用されたようです。こちらにポイントがわかりやすくまとめられていました。 「AI/ML のトレーニングに使用されることを許可しない」というのはいまどきの規約ですね。
https://www.maxon.net/en/article/maxon-one-fall-release-includes-new-features-and-massive-performance-improvements
https://note.com/maxonjapan/n/n15a450e04b33
パフォーマンスの大幅な向上
Cinema 4D 2024は、スピードとパフォーマンスが大幅に向上しました。Maxonは、可能性の限界に挑戦し、Cinema 4Dのあらゆる面を入念に調整し、以前のバージョンのCinema 4Dと比べて2倍以上のスピードとパフォーマンスを実現。複雑なシーンでも瞬時に反応することができるようになりました。
たとえば、以下の1万体のモデルをMoGraphで動かしたシーンでの描画スピードは61%アップしました。
キャラクターアニメーションのシーンは、78%アップしました。
メモリ32GBの環境で、マルチインスタンスで1,000万オブジェクトをCinema 4D 2024なら時間は掛かりましたが表示できました。
Redshiftがデフォルトレンダラーに
Redshiftがデフォルトレンダラーになりました。新規シーンを作成した場合、Redshiftがレンダラーとして選ばれている状態になります。さらに、Redshiftも日本語化されました。
シミュレーションの進化
新しく追加されたリジッドボディ
統一シミュレーションに、リジッドボディが追加され、クロス、ソフトボディ、パイロを混在したシミュレーションが行えるようになりました。
パイロの進化
エミッターがパーティクルやポイントに対応
以前のバージョンまでは、パイロのエミッターはポリゴンオブジェクトのボリュームかサーフェイスしかエミッターにできませんでしたが、2024からは標準パーティクル、Thinking Particles、スプライン、ボリュームオブジェクト、MoGraphのマトリクス、オブジェクトのポイントもその対象になり、より自由にパイロのシミュレーションが行えます。
キャッシュの高解像度化に対応
要望の多かったボリュームキャッシュの高解像度化に対応しました。粗いボリューム計算を滑らかにすることができます。特に、低解像度時に結果を活かしたい場合に便利です。さらに、高解像度化の時にノイズを加えることで自然なディテールを出すことができます。
モデリングの進化
パターン選択
これも要望が多かったパターン選択が追加されました。現在選択しているエレメントをくり返し数やマージンを設定して選択できます。機械的なパターンのモデリングの際にとても便利です。
SDSの追加オプション
サブディビジョンサーフェイスに、「リニア事前分割」というオプションが追加されました。これは、サブディビジョン分割をする前に、リニア分割をすることで角の曲面化が緩やかになります。従来は、SDSを多重構造にして行う必要がありましたが、一つのオブジェクトで管理できるようになりました。
Phongタグの法線スタイル
これまでCADデータなどを読み込んだ時に、トポロジーの状態によりシェーディングに意図しないエッジが描画されるケースがありました。
この問題を解消するには、モデルのトポロジーを整える必要がありましたが、2024から新しい法線の計算タイプを選ぶことで簡単に修正できるようになりました。タイプは、状況に合わせていくつか選択することができます。
今回のケースでは加重正方形エリアを選ぶことで、ゆがみが出ていた反射や不要なエッジがなくなり、きれいにシェーディングされるようになりました。
法線編集
要望の多かった法線編集機能が追加されました。選択したポリゴンおよびエッジの頂点法線を任意の方向に編集できます。
Phongタグの法線計算のタイプで直らないケースでも、ポリゴンやエッジを選んで、法線を特定の方向に向けることができます。また、強度のパラメータがあるので、完全に特定の方向に向けるのではなく、様子を見ながら調整もできます。
たとえば、別オブジェクトの境目を法線の平均を取ることで、一体化されたように見せることもできます。
頂点マップマネージャ(VAMP)に新モード
頂点マップマネージャに、新しい評価方法に「最も近いポリゴン(データブレイクあり)」が追加され、また、法線もサポートされました。
新しい評価方法は、非常に高い精度でUVや法線を別のオブジェクトに転写できます。
たとえば、キャラクターに右の滑らかな形状の法線を転写してみます。
きれいなトゥーンシェーディングが行えるようになります。
さらに、そこから法線編集で鼻の下だけ法線を下に向けることで鼻に影も作ることができます。
さらに、ゲーム用のアセット作りでも便利です。ローポリのメッシュにハイポリの法線を転写することで、ハイポリに近いシェーディングを再現できます。
トポロジーが異なるモデルのUVも、かなりに正確に転写できるようになりました。いままで難しかったケースでも多くの場合対応できます。もちろんUVやトポロジーの状態により、完ぺきではないケースがありますが、以前よりはかなりよい結果が得られます。
ポリゴンとポイントのインデックス番号の表示
ビューポートでポリゴンとポイントのインデックスが表示できるようになりました。これにより、ノードや選択モディファイアで影響させたいポリゴンとポイントを簡単に見つけることができるようになりました。
ファイルインポート時のターゲットレンダラーの指定
これまでファイルの読み込み時のマテリアルは、フォーマットごとにRedshiftと標準レンダラーを選ぶ必要がありましたが、一般設定で指定しておくことができるようになりました。
アニメーションの進化
ポーズモーフが法線をサポート
ポーズモーフで、法線がサポートされました。シーンやトポロジーの状態に合わせて、法線をモーフアニメーションさせることができます。
投影デフォーマ
デフォーマに投影デフォーマが追加されました。このデフォーマは、ポリゴンやスプラインを別のポリゴンオブジェクトに投影できます。
投影方法は、平行投影と球投影の2つが選べます。
球投影はシュリンクラップデフォーマとは逆に、外に向かって投影されます。
ノードの改善
囲いとメモの追加
複雑なノードを組む場合やほかのスタッフと共有する場合に備えて、ノードの囲いやメモをノードエディターに追加できるようになりました。これはノードマテリアルでも使えます。
Redshift 3.5.18
Redshift 3.5.18では、歪みシェーダーが追加されました。画像だけでなくMaxonノイズなど3D空間での歪みにも対応しています。
グレースケールの濃度に合わせて、テクスチャを歪ませることができます。