参考資料

Steamのコントローラ使用状況 2018

Steamがコントローラの使用状況を公開しています。
Steamで最も使用されているPC コントローラは「 Xbox コントローラー」で、全コントローラの 64%が使用しているそうです。

https://steamcommunity.com/games/593110/announcements/detail/1712946892833213377?l=japanese

 

PC ゲームのコントローラ

かつて PC ゲームにおけるコントローラの互換性管理は、各ゲーム開発者に任されていました。つまり、ゲームがサポートする一連のハードウェアは事前に決められており、プレイヤーは既定の入力オプションの中から選択するだけでした。2015 年、Steam はコミュニティの選択における制約を緩和すると何が起こるかを観察するための実験を開始しました。
ユーザー側で、デバイス(Steam コントローラ、PlayStation コントローラ、Xbox コント―ラ等)とゲームが理解できる入力(キーボードのキー、マウスの動き、コントローラのボタン押し込み等)を自由に組み合わせてマッピングできるためのツールを公開しました。
さらに、コントローラの設定の共有や変更を可能にするシステムを提供することで、最も使いやすい入力設定が上位にランクされ、コミュニティの累積的な努力が全員の利益となるようにしました。再マッピングと共有というこれら 2 つの機能は、現在 Steam 入力と呼んでいる機能の基礎となりました。

3 年後、Steam 入力の実験が興味深い結果を見せ始めました。多くのタイプのコントローラをサポートしたことで、プラットフォーム上で使用されているコントローラの種類が明白になっただけでなく、カスタマイズを許容したことで、ジャンルによって異なるプレイヤーの入力方法の好みも明らかとなりました。本日は、Steam に接続されてきたコントローラの種類、その使用形態、プラットフォームに新しいコントローラがリリースされた時の反応に関するデータを共有します。また、Steam コントローラについて、そして他の種類のコントローラとの違いについても説明します。

 

Steam 上のコントローラ

このデータの中で最初に目に付くのは、多くの Steam プレイヤーがコントローラを持っているという事実でしょう。2015 年から、3,000 万人以上のプレイヤーが少なくとも 1 つのコントローラを登録し、その内の 1,500 万人以上のプレイヤーが 2 つ以上のコントローラを登録しています。複数のコントローラを持つアカウントと、複数のアカウントに登録されているコントローラの間には、合計 6,000 万以上のデバイス+アカウントの組み合わせがあり、Steam に接続されています。コントローラの種類別の内訳は以下のグラフの通りです。

デバイスの大部分はコンシューマー用コントローラによって占められますが、残りの 8% もおよそ500万とかなりの数です。このグループは Steam コントローラや、PC のゲームパッド、任天堂のコントローラー、FightStick (783 個のダンスパッドもカウントされます)によって構成されます。場合によっては、これらをPC に接続するという時点でユーザーの独創性が表れている幅広い種類の入力デバイス群とも言えます。これらの数字にはさらに解析すべき部分がありますが、プレイ時間データと合わせてみたところ、いくつかの興味深い結論にたどり着きました。

 

最も一般的な PC コントローラは Xbox コントローラー

Xbox コントローラーが標準的なコントローラであるという基本的な事実はデータから一目瞭然です。これまでにSteam に接続されたXbox 360 または Xbox One のコントローラーの数は 4,000 万にも上り、全コントローラの 64% に相当します。そもそも Xbox のコントローラーが標準になったのはなぜなのでしょうか? 10 年ほど前、Microsoft は基本プロトコルである XInput の採用率を促進させるための協調的な努力を通じて、ゲーム開発者からの広範なサポートを獲得することに成功しました。ビルトインのサポートが圧倒的に XInput となったために、様々なタイトルを同じ操作でプレイするのに Xbox コントローラーが適するという結果となりました。

 

予想外に大量の PS4 コントローラ

PlayStation 4 は優れたコントローラを備えた、非常に人気のある家庭用ゲーム機です。1200 万と言う数字に驚いたのは、歴史的に PS4 コントローラが PC ゲーム用コントローラとして扱われていなかったためです。ビルトインのサポートはまれであり、プレイヤーは PS4 コントローラの入力を Xbox コントローラーの入力に変換するソフトに頼ることになります。これにはいくつかの欠点があります。例えば、ゲームから「Y ボタンを押してジャンプ」という指示が画面に表示されたとき、実際には△ボタンを押さないといけない状況が起こりえます。こうした脳内での変換作業は、一部の PS4 コントローラユーザーにとっては致命的であり、この状況が発生している証拠が毎月のプレイタイムデータに見られます。

Xbox One コントローラーの使用率は PS4 の約 2 倍です。その違いをユーザー体験によって説明できるかどうかは定かではありませんが、多くのタイトルでシームレスなサポートがあれば、この差は縮まるという理屈は立ちます。潜在的な解決策のひとつは、コントローラの種類に基づいてゲーム内ヒントを表示可能にする機能を含むSteam 入力をゲーム側で完全統合することです。このような高度な Steam 入力機能に関する詳細は、今後の投稿で紹介する予定ですが、今日のところは「Steam 内に未活用の大規模な PS4 コントローラユーザーコミュニティがある」ということだけ記しておきます。

 

人気の新デバイス Switch Proコントローラ

Switch Pro コントローラーは 2017 年に登場し、プレイヤー達は瞬く間に PC に接続するようになりました。当時のサポートはほぼ基本的な Steam 入力の再マッピングに限られており、UIが実際のデバイスと一致せず、モーションコントロールやランブルなどの機能は利用できませんでした。2018 年 5 月の Steam アップデートにより、デバイスの全機能が使用可能になり、UI に該当するアートワークが追加され、全体的な操作性が向上しました。その結果、以下のグラフでもわかるようにSwitch Pro コントローラーの登録数が増加し、Steam 上で 7 番目に人気のあるコントローラになりました。

 

さまざまなゲームのセットで使用される Steam コントローラ

Steam コントローラは、マウス駆動のゲームを含め、ライブラリ全体と互換性のあるデバイスとして作られました。トラックパッドとジャイロ入力のユニークな組み合わせは、典型的なサムスティックよりも正確なポイントとエイムのコントロールを可能にし、さらに、コントローラを必要とするタイトルと必要としないタイトル間の溝を埋めるのにも役立ちます。これまで130 万台売れたSteam コントローラですが、最も関心があるのはその使われ方です。Steam コントローラのコミュニティは、他の種類のコントローラよりも多様なゲームをプレイしており、タイトルの総数は次点のデバイスと比較しても倍近くになっています。さらに、これらの多くはビルトインのコントローラサポートが無いタイトルです。ユーザーがあらゆる種類のゲームをプレイしていることをは喜ばしいことであり、既存および将来のユーザーのために Steam コントローラの操作性を引き続き向上させる努力をします。

 

今後の予定は?

Steam のプラットフォーム上には多数かつ多様なコントローラがあり、その事実は、ビルトインで固定されたコントローラサポートというアプローチとは相反します。確かに、Xbox コントローラーをサポートすることで、Steam ユーザーの 64% をカバーすることができますが、その他の 2,200 万台のデバイスはどうでしょうか? さらに、将来のコントローラに、ゲームのリリース時には存在しなかった、または人気がなかった入力方法が含まれる可能性もあります。例えば、モーションコントロールは比較的新しいものですが、Steam 入力において古いタイトルでも試せるようにしたところ、長年使用してきた設定よりも優れたモーションコントロールの設定をコミュニティが見つけるという事例がありました。

200 種類以上のコントローラモデルをサポートするSteam 入力の完全統合には、デバイスの違いを越えた均一の体験を生み出すというもう一つの恩恵をもたらします。また、Steam の一部であることから、今後の Steam クライアントのアップデートで、開発者に負担をかけずに、新しいコントローラへのサポートを拡張できます。次回の投稿では、Steam 入力やその他の機能が、Steam 上の幅広いコントローラユーザー人口にどのように役立つのかを説明します。

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