劇場版「新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X」のメイキング記事が公開されています。
https://cgworld.jp/feature/202003-cgw259smde.html
2018年夏に企画がスタートし、玩具の開発に合わせて同年秋に劇場版の制作が決定、本格的なCG制作は2019年春頃開始となった。新型車両ALFA-Xのモデリングは2月頃から始まり、実際の車両の確認などを経て5月頃に完成。その間、並行して背景制作等が行われ、アニメーション作業は夏から12月上旬までかけ、約1,100カットのうち300カットほどがCGで制作された。
スタッフはTVシリーズからひき続き約15名のチームが参加。ツールはMayaをメインに、TVシリーズで蓄積されたノウハウを活用して制作期間を短縮している。
実在する車両と玩具のデザインから魅力的なCGアニメ向けのデザインに落とし込む
ALFA-Xのデザイン化&3Dモデル化
E5MkIIオーバークロスALFA-Xは制作スケジュールの関係上デザイン画はなく、版権用画稿の作業を兼ねて進められた。アニメのデザインを基にプラレールがつくられたと思ってもらえるようなデザインを目指したという。
機械兵器ヴァルドル
オーバークロス合体
ALFA-Xのオーバークロス合体では、パーツ点数が約600個、通常変形の2倍の総尺となり、過去最大の変形シーンとなったという。
アイデア出しから作品の世界をつくり視聴者の心を捉えるシーンを描く
アイデアから提案したメトロポリタン・ヴァルハラン
メトロポリタン・ヴァルハラン内部のBGモデルは、CGとの組み合わせだけでなく作画のキャラクターの背景としても使用された。BGモデルの粗さが目立つカットではPhotoshopでレタッチを施しているものの、3DBGの完成度の高さが窺える。
新幹線超進化研究所 総指令部:デザイン
凍てつく新幹線超進化研究所 総指令部
レンダリング素材自体は凍結時も通常時の素材を使用し、コンポジットで調整して凍結時を表現することで、効率的に背景を制作している。
延長背景モデルによる「ながれる背景」の演出
流背は使わないという池添監督の方針から導入された機構。延長された背景は、E5 MkIIオーバークロスALFA-Xがヴァルドルに高速で向かっていくシーン等、特に物語終盤で活用されている。
TVシリーズを踏襲したセットアップ
E5 MkII オーバークロス ALFA-Xのコントローラ&ポーズライブラリ。インハウスツールであるポーズライブラリに登録することで、基本的なポーズデータを共有することができる。
運転士のキャラクターの個性をシンカリオンのポーズで演出
変形シーンのキメポーズや動作は、SMDEの提案により、運転士の性格に合わせて調整している。
ロボ形態(シンカリオンモード)における新幹線要素の表現
シンカリオンは、胸に新幹線の先頭部分、肩に車両の外装(窓)部分が大きくマウントされているデザインが特徴的だが、それらの要素は不用意にポーズをとると意図しない見え方になる場合がある。これらの象徴的な部分が不自然に見えないように配慮された。
必殺技の名前から演出を提案
難易度の高い新幹線形態(シンカリオンモード)のシーン制作
列車のアセットはロボ形態の約10倍のポリゴン数を持ち、高架橋線路アセットも2kmほどの長さとなった。データは非常に重く、列車カットのシーンファイルは予想以上にハンドリングが大変だったという。
カット制作例。上の画はパースの利きが弱く、下の画のように修正したが、こちらはパース感こそ出たものの後続車両が見えず列車感が乏しかった。劇場のスクリーンで観るにはタイトすぎるレイアウトだったため、少し引いた印象にして後続車両もフレームに入るように調整。
スペシャルゲストの登場
シンカリオン ハローキティのPVが登場
新たなコラボレーションとして、シンカリオン ハローキティのPVがWebで公開された。『シンカリオン』のPV案件は、絵コンテ・演出・カット制作まで全てSMDE内のスタッフが制作。