参考資料

弐瓶 勉×ポリゴン・ピクチュアズ最新作となる『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』メイキング

 

映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』のメイキング記事が公開されています。

https://cgworld.jp/article/2310-ooyukiumi01.html
https://cgworld.jp/article/2310-ooyukiumi02.html
https://cgworld.jp/article/2310-ooyukiumi03.html

 


TVシリーズからひと続きでつくり上げる一大プロジェクトの集大成

「劇場版はTVシリーズ5話分相当のボリュームなので、現場としては16話分の映像をつくるイメージで進めました」

 

カラースクリプトによる色要素の整理。多彩な光源変化のような画づくりを整理・共有するためにカラースクリプトを活用。

 

シーン設計に欠かせないブレイクダウンシート。PPIでは脚本が上がってきた段階でどういうアセットが必要か、服装のバリエーションをどうするかといった設計をCGSVが担当する。

 

アニメーション作業をスムーズにするセットアップ

キャラクターモデル全体のリグは、PPIのセルシェーディングの作品では標準的な仕様のもの。本作に合わせて調整したベースを各キャラクター用に改変してセットアップを進められた。

顔のセットアップもPPIの標準仕様で、フェイシャルターゲットはメインキャラクターに39個、モブに6個用意した。眉下にも影が追加されており、コントローラなしでフェイシャルアニメーションに沿って動くが、各スタッフが必要に応じてコントローラを追加して動かすこともある。

 

補助骨による手と服の干渉回避。

リグのワイヤーフレーム。袖口を囲むように補助骨を配置し、干渉物を沿わせるガイドとなるNURBSで覆っている

 

キャラクターのセットアップ。ビョウザンのフェイシャルリグ。標準仕様から変更した点は、目の下の影をはじめから用意したことと、怒りの表情などに用いる眉間のシワを影で表現したこと。

 

エフェクトをあらかじめアセットに組み込む。例えば常に雪海の泡と共に映る船などは、アセットにあらかじめエフェクトを組み込んでおく。これは『シドニアの騎士 あいつむぐほし』(2021)でも行なった仕込み。

 

大自然のエネルギーを描きだす背景美術

 

美術チームによる色味共有のためのカラースクリプト。

 

自然物のディテールを活かした巨大物の描写

 

美術とエフェクトをつなぐBGセットアップチーム

地面が割れるシーンなど、背景にエフェクトが関与して変化を起こす広義の背景動画ショットは、美術チームとエフェクトチーム、そしてそれらの間を取り持つ原図チームが密接に連携して仕上げた。

 

ショットの基本となる「FX後美術」ワークフロー。レイアウト・アニメーションを受けてエフェクトチームが作業を行い、BGSチームは美術前の原図作業を行いながら、美術後にはライティング・コンポジット用にmatteNuke(Nukeによるマットのセットアップ作業を指すPPI内部の用語)作業を行なった。

 

①FX後美術:レイアウト〜エフェクト。

Houdiniの破砕シミュレーション作業画面。Alembicで出力してBGSチームの作業に移る。

 

②FX後美術:BGSチームの原図と仮セットアップ。

 

③FX後美術:Nukeセットアップ(matteNuke)。

 

④FX後美術:完成ショット。

 

美術先行となるイレギュラーな「美術後FX」ワークフロー。

①美術後FX:レイアウト

 

②美術後FX:BGSチームの原図と仮セットアップ

 

③美術後FX:エフェクト。膜が剥がれて吹き飛んでいくエフェクトを作成してAlembicで出力。

 

④美術後FX:プロジェクションセットアップ テイク1

 

⑤美術後FX:プロジェクションセットアップ テイク2

 

⑥美術後FX:matteNukeセットアップ

 

①重なり合った天膜の見映えを改善。天膜の見映えについてはルミナンスキーで明るい部分をマスクし、マットになるように色味が調整された。

 

②木の枝が天膜に挟まれているように表現

 

③天膜の透け感を表現

 

④木の枝の回転の修正

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