映画『ゴジラ-1.0』のメイキング記事が公開されています。
https://cgworld.jp/regular/304-godzilla.html
撮影前のイテレーションが見積もりの精度を高める
映画は撮影前に予算配分がおおよそ決まるので、それまでにカット数のボリューム感とVFXの難易度を具体的に考えています。そこからどこに何を割り当てるか、各担当のカロリー計算をしている。
チームマネジメントの極意
本作のVFXを担う白組調布スタジオは、山崎氏を含め、ディレクター・コンポジター・モデラー全てのスタッフが声の届く、ワンフロアで作業している。人数も20名程度と、少数精鋭のチームで制作しているのが特徴である。
撮影時にゴジラのスケール感や距離感が掴みやすいように採用された「AR Finder」。
ゴジラや街並みのモデリング
山崎監督自らが本作用のリファレンスモデルをZBrushで作成した。このリファレンスモデルを基にフォルムの調整やディテールの詰めを行なっていった。
ZBrushで形状の修正、Mudboxでディテールの描き込みとディスプレイスメントの書き出し、Mayaでリトポ、Mariでテクスチャ制作が行われた。
ゴジラモデル。
ゴジラと船が絡むカットのメイキング。
本作用に制作された建物モデル。複数棟の建物を並べ、空が映り込む現実的なアングルでレンダリングし、見える部分を重点的につくり込む方法が採られた。
制作されたCGの雑物(プロップ)。
破壊された和光(服部時計店)のCGカット。
港シーンのモデル。
Reality Captureでフォトグラメトリーされた美術プロップ群。
Houdiniによる多彩なエフェクト
本作のエフェクト制作は、Houdiniで行われた。破壊エフェクトは、アセット班が破壊対応のモデルを作成し、エフェクト班がHoudiniでエフェクトを作成後、Mayaに再コンバートしてレンダリングというワークフローで行われた。
破片はHoudini上でプライマリ(アセットモデルをベースにした割れメッシュ、最大の大きさ)、セカンダリ・大(中程度の大きさの飛び散る破片)、セカンダリ・小(最小の舞う破片)の3種類に分けて表現している。
破壊エフェクトのR&D。
Houdiniによる破壊エフェクトの完成版。
Houdiniによる群衆表現の作業画面。
コンポジットによる画づくり
色数と陰影で画の魅力を引き出す。MayaでつくられたモデルデータをHoudini上でシーン構築、エフェクト、レンダーまで行い、Nukeでコンポしている。
沈みかけている船のカットのブレイクダウン。
巨大な爆発カットのブレイクダウン。
崩れた和光のカットのブレイクダウ ン。
ゴジラの足元で逃げる人々のカットのブレイクダウン。
海辺のゴジラ足元カットのブレイクダウン。
港のカット。