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Cinema 4D 2024.4 リリース

 

Cinema 4D 2024.4がリリースされました。新しいパーティクルシステムが追加されたようです。近年はクロスシミュレーションなど、ダイナミクス系機能の刷新に力を入れてるようでエフェクト好きにはいいアップデートに見えます。

しかし、公式サイトが雰囲気だけの発信で、機能紹介する気がまったくないですね。他の国でも外部サービスで機能紹介する流れなのかな。

https://www.maxon.net/ja/article/maxon-one-spring-2024-release-packs-particle-power-toon-shading-and-more
https://note.com/maxonjapan/n/nbccabcb89e1f?sub_rt=share_pb

 

 

Cinema 4D 2024.4

 

パーティクル

統一シミュレーションに組み込まれた新しいパーティクルシステムが追加されました。オブジェクトマネージャでロジックツリーによるコントロールが行えます。エミッターには、基本エミッターと、メッシュエミッター、スプラインエミッター、そしてパーティクルからパーティクルを出す増殖があります。

 

下の例では、上から雨のパーティクルを発生させて、シミュレーションで衝突設定しているオブジェクトにぶつかったときに、増殖エミッターでパーティクルを発生させて元のパーティクルを消える設定にしています。


パーティクルの状態(時間経過、速度、位置など)によって、パーティクルグループを変えたり、状態の変更やリマップ、モディファイアで細かくコントロールできます。

花火のパーティクルを作る場合であれば、下図のように打ち上げ用のエミッターで、条件モディファイアで時間変化(Age)で20F経過した時点で〈増殖〉パーティクルからパーティクルを発生させて花火を爆発させることができます。

このようにノードを使わずに、オブジェクトマネージャ上でパーティクルのコントロールが可能です。

 

豊富なモディファイア

パーティクルのモディファイアには、以下のようなものがあります。

  • カラーマップ:時間経過や位置、速度などで色を変化させる
  • データマップ:条件に合わせて速度や位置などを再マッピング
  • 数式:パーティクルの属性の数値を数式でコントロール
  • キル:パーティクルを殺す
  • グループを切り替え:パーティクルグループを変更
  • ルック:パーティクルの向きをコントロール
  • 回転:パーティクルの角度をコントロール
  • 旋回:パーティクルの進行方向を変更
  • 合成:パーティクル同士のプロパティを距離に応じて合成
  • フロック:一定の距離にあるパーティクル同士が近づき群れを作る
  • 捕食者被食者:パーティクルが別のパーティクルを追いかける
  • 衝突:シミュレーションオブジェクトとの衝突を計算
  • 粘着:オブジェクトにパーティクルが粘着する
  • 表面引力:オブジェクトの表面に沿って動いたり、ひきつけられたりする
  • パイロの移流に影響:パイロでシミュレーションした流体の動きに、パーティクルを影響させる

 

豊富なサンプル

パーティクルのサンプルシーンも多数用意されていますので、どのようなことができるかぜひご覧ください。

 

シミュレーション

リジッドボディに固定、角度、リニア、放射状、ホールサスペンションのコネクターオブジェクトが追加されました。

 

トラックフィールドレイヤー

フィールドにトラックフィールドレイヤーが追加されました。これは、アニメーショントラックの値を取得して、フィールドとして活用できます。

 

モデリング

エッジをスムーズに〈間隔を維持〉のオプションが追加されました。スムーズにする前の間隔を極力維持します。
〈間隔を維持〉がオフだと、くり返し数が増えるごとにエッジの間隔が均等になっていきますが、オンであれば元の間隔を維持するので、トポロジーの状態を極力元の状態を維持してくれます。

メッシュチェッカーに、三角ポリゴンとNgonのオプションが追加され、視覚化と選択ができるようになりました。

 

プロパティ転写

頂点カラーなどの転写を行う「VAMP」の名称が「プロパティ転写」になりました。
リメッシャーにプロパティの転写機能が追加されたため、UVや頂点カラーなども転写され、以前よりもきれいな結果が得られるようになりました。

 

各タグにプロパティ転写機能が追加

ポイント選択範囲、エッジ選択範囲、ポリゴン選択範囲、頂点マップ、頂点カラー、法線、UVの各タグでプロパティ転写機能が追加されました。
他のオブジェクトの選択範囲やUVなどプロパティをプロシージャルに転写することができます。

 

アセットブラウザの改善

アセットブラウザが、より直感的に使えるようになりました。
HDR画像をシーンに追加すると自動的にテクスチャ設定されたドームライトが作成させるようになりました。

 

また、オブジェクトをシーンに追加する場合も、配置ツールに自動的に切り替わるので、すぐに好きな位置に配置できます。

 

glTFインポーター

ポーズモーフに対応
ブレンドシェイプなどのモーフアニメーションをポーズモーフとして読み込めるようになりました。

 

メッシュを分離

無効の場合、すべてのメッシュプリミティブを1つのポリゴンオブジェクトにインポートします。有効な場合は、メッシュプリミティブを別々にインポートします: それぞれをポリゴンオブジェクトにインポートします。

 

 

Redshift

 

 

トゥーンレンダリング

Redshiftがトゥーンレンダリングに対応しました。
ノードで輪郭を設定することができ、新しいトゥーンマテリアルも用意されています。

マテリアル毎にラインの色や太さを指定することができるので、下図のように髪の毛だけラインの色を変えるといったことができます。

ラインは、生成するラインを外側と内側で分けることができます。アウトラインは生成せずに、内側のエッジ部分のみにラインを出すこともできます。

 

また、トゥーンマテリアルやラインレンダリングは、反射マテリアルの映り込みにも対応しています。

 

ハーフトーンレンダリング

トーンマテリアルでは、トーンマップパターンを使うこととで、ハーフトーン表現が行えます。パターンは、グリッド・ハーフトーン・正弦波の3つが用意されています。

 

加算レンダリング

トゥーンマテリアルでは、透過された放射チャンネルに対して加算レンダリングができるようになりました。下の例では、半透明なパーティクル同士が重なったところが加算計算されています。

 

不透明度をグレーにして、トゥーンマテリアルのジオメトリにある〈不透明度が発光に影響〉を無効にすると、加算計算されます。

 

ボリュームレンダリングの改善

新しい標準ボリューム

新しい標準ボリュームシェーダーは、使いやすく直感的なボリュームシェーダーが実装されました。標準ボリュームシェーダーは、ほとんどのパラメータにシェーダーノードを接続でき、あらゆる種類のプロシージャルボリュームの作成や既存のボリュームグリッドの変更を可能にします。標準ボリュームシェーダーは、接続がない場合に特別なモードになり、より速く、より最適化されたパスで動作し、速度が向上します。
下の例では、密度をMaxonノイズでコントロールしています。

 

これまでパイロのシミュレーションにディテールを追加する場合、ボリュームグリッドを細かくして再シミュレーションか、キャッシュを高解像度化する必要がありましたが、シェーダーで調整できるようになりました。

 

新しい位相異方性モード

ボリュームシェーダーは現在、2023年の論文「霧と雲のレンダリングのための近似ミー散乱関数」に基づいた新しい異方性モデルの実装しました。この新しいモデルは、雲を構成する水滴の光散乱をより良く近似させ、複数回散乱に対してより良い結果を提供します。 旧Henyey-Greenstein モデルとJendersie-D'Eonモデルの比較になります。

Henyey-Greenstein モデル

Jendersie-D'Eonモデル

 

エリアライトでテクスチャのマスクをサポート

エリアライトで、テクスチャを使って表示させるときにマスクをサポートできるようになりました。従来は、上図のようにテクスチャのアルファチャンネルが反映されませんでしたが、テクスチャのアルファや別のマスク用の画像を指定できるようになり、好きな形に切り抜けるようになりました。

 

メッシュライトが刷新

メッシュライトは、他のエリアライトのように動作するようにオーバーホールされました。

  • 反射における影の透過をサポート。
  • メッシュ ライトが表示されていない場合に、光をブロックしなくなりました。
  • メッシュライトの可視性がオフの場合、屈折で見えなくなりました。
  • メッシュ ライトの発光強度が、他のエリア ライトと同じになりました。
  • 反射でのライト リンクをサポートするようになりました。
  • メッシュ ライトのノイズ レベルが、ブルート フォース GI サンプルの数に連動しなくなりました。
  • 以下のAOVが、メッシュライトと組み合わせて期待通りに動作するようになりました: DiffuseLighting、DiffuseLightingRaw、GI、GIRaw、Reflections、ReflectionsRaw、Refractions、RefractionsRaw、ボリュームライティング

 

状態シェーダーノードでレイの状態を追加

状態ノードに拡散や反射屈折、スキャッター、透過などの例の回数を出力できるようになりました。これをシェーダー切替ノードと組み合わせることで、反射のみ状態を変えるといったことができるようになりました。

下図の場合、キャラクターが写り込んだ場合は、ベースカラーが赤になりメタルネスが有効、反射の表面粗さも変わるように設定されています。さらに、反射回数が2回目では通常になるように設定されています。

 

Maxonカプセル

Maxon Oneの加入者は、多様なアセットが含まれるMaxon カプセルライブラリにアクセスできます。最近AdobeとのパートナーシップでリリースされたAdobe Substance 3Dマテリアルライブラリに加えて、このリリースには多くの素晴らしい新機能が含まれています。

 

Ivy Generator

Cinema 4Dのシーンノードカプセルで、Rocket Lasso作の建物や他のオブジェクトの表面にアニメーション付きのツタを追加することができるツールです。このカプセルには、様々なルックのツタを提供する2つの異なるセットが含まれています。

 

Partition Modifier

Rocket LassoによるCinema 4Dのシーンノードカプセルです。このツールを使用すると、モデルを動的にリサイズ可能なピースに分割して、木製の床材、岩壁などを作成できます。

 

Wood Floors Vol. 01

Cinema 4DのRedshift マテリアルカプセルです。Fuchs & Vogelによって作成されたこれらの素材を使用すると、さまざまな木材やパターンを使用して、インテリアレンダリングの床を手軽に飾ることができます。

 

Cineware for Unreal

アップデートにより、Cinema 4DからUnreal Engineへのマテリアルの転送がこれまで以上に簡単になりました。Direct Linkを使用すると、ファイルをディスクに保存する必要がありません。
※これはUnreal Engine 5.0以降でのみ動作し、Cinema 4D 2023.0以降のバージョンが必要です。

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