Tips

modoとAEでアニメ風爆発の作り方

modoとAfter Effectsを使ってアニメ風の爆発の作り方について書いてみます。特に新しい内容ではありませんが、だれかの参考になれば嬉しいです。

最近のアニメでは3DCGが使われることが当たり前になってます。爆発のようなエフェクトも作画ではなく、CGが使用されてるのを多く見かけるようになっています。
CGで爆発を作る場合は大きく分けて2つの方法があります。1つめは球体にトゥーンシェーダを設定して、球体をアニメーションする方法です。2つめはFumeFXのようなフルードダイナミクスや、ボリュームレンダリングを使用する方法です。

今回はmodoのパーティクルとボリュームを使用して爆発の素材を作って、After Effectsでセルっぽい質感にしてみます。

 

ボリュームのレンダリング

modoでボリュームをレンダリングします。色はAfter Effectsで設定するので、無彩色のままレンダリングします。パーティクルやボリュームの設定を解説するのは大変なので、詳細はサンプルファイルをみてください。

■ サンプルファイル

以前の爆発と同じく、今回もゲームっぽく爆発して消えるまでのアニメーションにしてみました。

ボリュームの質感は、爆発の中心を明るくするためにグラディエントレイヤーを「ボリューメトリックルミナンス量」で重ねています。グラディエントの「入力パラメータ」は以下の通りです。

 

デフォルト

わかりやすいように「ボリューメトリックルミナンス量」を使用していない状態の画像です。Multi-Fractal で煙っぽいでこぼこを設定しています。

 

テクスチャ値

入力パラメータに「テクスチャ値」を設定した画像です。Multi-Fractal レイヤーでへこんでいる部分を明るくすることで、煙の中心が高温になってる感じをだすために使ってます。

 

ロケータまでの距離(オブジェクト空間)

入力パラメータに「ロケータまでの距離(オブジェクト空間)」を設定した画像です。個々のパーティクルからの距離でボリュームを明るくしています。「 ロケータまでの距離(オブジェクト空間)」を使う場合は、ボリュームの「自動テクスチャオフセット」や「テクスチャエフェクト」をONにしていると影響を受けてしまうので、使う場合はOFFにする必要があります。

 

ロケータまでの距離

入力パラメータに「ロケータまでの距離」を設定した画像です。爆発の中心からの距離でボリュームを明るくしています。パーティクルを発射直後のボリュームを明るくするために使ってます。

 

最終レンダリング

全てのレイヤーを適用した画像です。

 

After Effects で色付け

modoで無彩色でレンダリングしたボリュームにAEで色をつけます。エフェクトは下の画像の通りです。

トーンカーブでボリュームのコントラストを調節してから、CelMXのGradientMapで爆発の色を設定しています。AE標準のコロラマ エフェクトでも同じことができます。最後にチョークでボリュームの輪郭をシャープにしています。
CelMXはCelFX同様にアニメ撮影処理向けのエフェクト集ですが、MXには3DCGでも便利なエフェクトが入っているので使ってます。

 

このままだと煙がパッキリし過ぎてるので影をぼかします。

レイヤーを複製して、煙の影をBlurCelを追加してぼかします。レイヤーの不透明度を65%くらいにして重ねます。ぼかし方は色々あるので、好きな方法を使うといいと思います。

 

最後に調整レイヤー追加してGlowを適用します。このGlowはお気に入りなので多用しちゃう。

 

作った爆発を Trapcode Particular で適当に発生させるとこんな感じになります。追加で火花や破片、画面ブレをつければ、もっと派手でそれっぽい感じになるんじゃないかと思います。

アニメ撮影に関するメイキングはあまり見かけることがありませんが、最終的なアニメのルックを決める重要なポジションのように感じます。フルCGや実写もそうですがコンポジットって重要ですね。

 

参考

「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」

爆発をLightWaveのハイパーボクセルで作ってるようです。modoでも参考になると思います。
http://www.dstorm.co.jp/dsproducts/lw3d/interview/profile19.html

「劇場版 ソードアート・オンライン –オーディナル・スケール–」

作画の煙の撮影処理前と後の画像が見ることができます。撮影処理で作画の煙のボリューム感がでてます。TurbulenceFDはセルっぽく加工せずに、ボリュームのシェーディングそのまま使ってるようです。こういう合成方法もいいですよね。
https://www.maxonjapan.jp/archives/work/sword_art_online_os

『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』シリーズが実践する、新世代のアニメ撮影ワークフロー

アニメ撮影に関する貴重な記事です。今ではキャラの目や髪にグラデがかかってる作品はあたりまえですね。
https://cgworld.jp/feature/201512-prisma-illya-cgw208t2.html

ufotableのvimeoアカウント

アニメ撮影でとても見応えのある画面をつくるアニメスタジオさん。いくつかメイキング映像が公開されています。
https://vimeo.com/ufotable

Modo Tips



 

記事のまとめページ

コメントを残す