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modoのプロシージャルモデリング

modo10.1からプロシージャルモデリングが搭載されましたが、プロシージャルモデリングってどんな時に使うの?どんなことができるのかについて書いてみたいと思います。

 

プロシージャルモデリングとは

プロシージャルモデリングは手続き的、非破壊的にメッシュを編集するモデリング手法です。

これまでのモデリング手法は「ダイレクトモデリング」と呼ばれ、メッシュのコンポーネント(頂点、エッジ、ポリゴン)を直接編集してモデリングしていました。
ダイレクトモデリングはメッシュを直接切り貼りして編集するため編集内容がわかりやすい反面、「面取り」にエッジベベルを使用後、再度ベベル幅を調整するには作り直しに近い手間が発生していました。

ダイレクトモデリングの例

 

プロシージャルモデリングはメッシュを直感的に編集する機能ではありませんが、メッシュオペレーター(メッシュを編集するノード)をいくつもスタックすることで、モデリングの工程をさかのぼってメッシュを編集することができます。例えばスムースシフトのシフト量や、エッジベベルの幅をいつでも編集できます。

プロシージャルモデリングの例

メッシュ編集がリストにスタックするのは、Maxのモディファイヤ スタックに似てますね。メッシュオペレーターの数が多くなると、他のソフト同様に動作が重くなります。

 

プロシージャルモデリングの使いどころ

プロシージャルモデリングは難しそうと思うかもしれませんが、利用頻度の高い機能は限られています。代表的なのは以下のようなメッシュオペレーターです。これらの機能は3dsMaxやC4Dなんかでも非破壊編集できるように専用機能が提供されてたりします。

  • エッジベベル (Edge Bevel)
  • 厚み(Thicken)
  • カーブ押し出し(Sweep Effector)
  • 複製系(Clone、Radial Array、Scatter Clone)

 

エッジベベル (Edge Bevel)

面取りに便利です。

 

厚み(Thicken)

服などの厚みに便利です。

 

カーブ押し出し(Sweep Effector)

パイプやコードに便利です。

 

複製系(Clone、Radial Array、Scatter Clone)

建物など規則的な形状で便利です。

一般的にプロシージャルモデリングはモデリングの最後の工程、後から修正したくなるような編集に使用すると便利です。全てプロシージャルモデリングでモデリングするのではなく、ダイレクトモデリングにちょい足しして使うのがお勧めです。

modoのプロシージャルモデリングの優れている点は、3dsMaxのように用途を限定して非破壊編集機能を提供してるわけではなく、ダイレクトモデリングツールの多くがプロシージャルモデリング機能として使用できることです。普段ダイレクトモデリングツールで使用する機能が、そのままプロシージャルモデリングでも使用できるというのは画期的だと思います。

 

プロシージャルモデリングとリギング

modoのプロシージャルモデリングでユニークなところは、メッシュオペレーターがノードとして提供されていることです。キャラクターのリギングと同じ感覚で、メッシュオペレーターをリギングすることができます。具体的にはHoudiniのデモで見かけるような、プロシージャルな家具や建物を作ることができます。

シンプルなファイルを公開しておくので、興味があるひとはダウンロードしてみてください。いずれもプリミティブのキューブをベースに使用しています。アセンブリとして再利用できるようには作ってないので、自作するときの参考にしてみてね。

 

サンプルファイル

Cloneを使用してメッシュを複製してます。デフォーマを使用するためにMerge Meshesを使用しています。デフォーマを使用しない場合はReplicatorを使用した方が処理が早いです。

 

サンプルファイル

管理を楽にするために天板の形状を作ってから、Merge Meshesで天板アイテムと天板下のフレームに分岐させています。恐らく分岐させると処理が遅くなるので、各アイテムごとにCubeとVertex Bevelノードがあった方が軽くなる気がします。

 

建物

サンプルファイル

壁用のアイテムをGroupにまとめてReplicatorで複製しています。Groupを使用したのはランダムに複製するためで、複製するアイテムが固定でよいならGroupを使用する必要はありません。壁のアイテムはキューブの法線方向を向けるためにセンターを回転してます。
このファイルでは全て同じ壁を複製してますが、Cubeを各面ごとに分解すれば好きな壁を並べることができます。

 

プロシージャルモデリングは元々CAD系のソフトから来た概念らしいです。RhinocerosのプラグインGrasshopperや、3DCGソフトだとHoudiniがプロシージャルモデリングの代表的なソフトでしたが、今後はmodoもプロシージャルモデリングを代表するソフトとしてメジャーになって欲しいですね。

 

参考

Modo Tips



 

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