完全オリジナルのアニメPV「モータークイーン」のメイキング記事が公開されています。
https://cgworld.jp/article/202303-mortorqueen.html
プリプロダクション、様々な施策によって後工程の負担を軽減
ビデオコンテで全体像を把握する
アニメ用のキャラ設定とロケハン
キャラ設定では原作のキャラクターの雰囲気を残しつつ、アニメ用デザインを起こしています。それに伴ってある程度ディテールを簡略化しましたが、他の作品に比べてやや線が多いデザインになりました。
学習を含めたルック・技術検証
最終的には水面はシェーダで作成し、飛沫はグリースペンシルでシーン内に作画した素材と、シェーダの合成でつくりました。
スケジュールに最適化したワークフローの構築
プロダクション、スキルと実現可能性を考慮してフレキシブルに
カット内容から逆算してアセット制作を行う
3Dアセットの制作では、特にモデリングにはあまり時間をかけられなかったので、カットの内容から逆算して必要なモデリングを行いました。例えばボートのモデルはほぼ右側からしか映らないため、右側からモデルをチェックしています。レーサーのモデルもカットに映る大きさから、ディテールの量を考えて作成しています。
シェーダにはToonKit for Cyclesというプラグインを使用しました。このプラグインは線と色をシェーダから直接生成・調整できるので重宝しています
シンプルな素材構成を意識して行う3Dレイアウト・アニメーション
色彩設計を兼ねたレイアウト・原画
作画はコンテと同様に、iPadのCLIPSTUDIO PAINT EXで描いています。Blenderから書き出したキャラやボートなどの3Dモデルを作画のアタリにも使用しています。
キャラクターのルックに合わせて背景を描く
他の全素材を用意した後、撮影前の1週間程度で一気にBG作業を進めました。セルの素材とマッチしやすいようにフラットな陰影のスタイルで描いています。
アニメではセルと背景の合わせはほとんど撮影で行なっているのですが、今回撮影の時間をあまりとれないこともあり、BGの時点である程度セルとマッチするスタイルに調整しています。
コンポ・撮影の負担軽減の工夫
撮影はAfter Effects、編集はPremiere Proで行なっています。
個別のカット制作事例
冒頭の6人のキャラクターを回り込みで映したカットの制作では、まず3Dのレイアウトに合わせて作画を行い、その後カメラワークに合わせて背景動画を3Dで後から制作しました。