映画『すずめの戸締まり』のメイキング記事が公開されています。
https://cgworld.jp/article/202303-cgw294-szmcg.html
“つくりながら考える”スタイルで外部パートナーと共にやりきる
コミックス・ウェーブ・フィルムのCG班は、CGレイアウトやカメラマップ、UNENDが担当した椅子やミミズなどを除いたアセットなどを手がけた。
CG班が本格的に動き出したのは2021年春。絵コンテなどのプリプロがある程度固まり、作画打ち合わせに向けてCGレイアウトの準備からスタートした。最終的に準備したCGレイアウトは、本編の半分を超える1,000カット以上となった。
本作は新海作品では初となる、シネマスコープサイズのアスペクト比を採用した作品である。解像度は2Kで2,048×858。フルHDの1,920×1,080より上下が切れるため、データが重くなるという問題はなかった。
主な使用ツールは3ds Max、After Effects、Photoshopで、草の揺れなどのエフェクト周りにはHoudiniを用いた。
CGレイアウトが組み込まれたカット制作フロー。絵コンテから美術設定を経てレイアウトモデルを作成し、人物を配置してカットをチェックする。作成したレイアウトモデルは約20シーン。
セクション横断で力を合わせた観覧車シーン。アセットの中で最も大変だったのが廃遊園地の観覧車。質感はテクスチャではなく、美術スタッフが全カット個別に素材を描き、カメラマップで貼り付けて表現した。
運転手付きの乗り物アセット。クルマのアセットは過去作で作成したモデルなどをアップデートして活用しつつ、新たに必要となったトラックやダンプカーなどの工事車両を中心に追加。新たな試みとして、「クルマの窓ガラスを透かせる」というオーダーに挑んだ。
群れをなす鳥たち。
Houdiniによる「戸締まり」のエフェクト。
夜の海面は3ds Maxで生成。フリープラグインの「Houdini Ocean Toolkit for 3ds Max」を使用。