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DaVinci Resolve Speed Editor 買ってみた

DaVinci Resolve Speed Editorを購入したので、使ってみた感想を書いてみます。

Speed EditorはDaVinci Resolve専用の編集キーボードです。DaVinci Resolve Studioのライセンスが付属していて、Bluetooth接続できるのも面白いです。

USB-Cケーブルや、DaVinci Resolve Studioのアクティベーションキーが書かれたカードが付属しています。

 

DaVinci Resolve Studio とは

DaVinci Resolve Studioは映像の編集、カラーコレクション、VFX、モーショングラフィックス、オーディオポストプロダクションをひとつに統合したソフトウェアです。

公式サイト
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/davinciresolve

一般的に映像制作では各工程ごとに専用のソフトがあります。例えばコンポジットはAfter EffectsやNuke。編集はPremiere、FinalCutPro、Avid。DAWはPro ToolsやCubase。
DaVinci Resolveは、これらの工程全てに対応できる欲張りセットのようなソフトです。有償版は最近では珍しい買い切りのライセンスで、毎年行われるメジャーアップデートが無料です。

DaVinci Resolveには有償版と無償版の2種類があります。無償版でも期限なし、商用利用可能、4Kまで出力可能と、有償版の95%以上の機能が開放されています。有償版と無償版の比較はこちら

 

Speed Editor の価格

Speed Editorの定価は現在 ¥57,980 (税込)です。Speed EditorにはDaVinci Resolve Studioのライセンス  ¥42,980 が付属しているので、Speed Editorの価格は実質1.5万円です。

公式サイト
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/davinciresolve/keyboard

家電量販店やネットショップでは少し安く購入できます。私は2023年3月頃にヨドバシで ¥47,950 で購入しました。

 

Speed Editorの価格は何度か変わっています。発売直後はDaVinci Resolveのライセンスが付属していませんでした。2021年に$100値上げされてDaVinci Resolveのライセンスが付属するようになりました。2022年後半からは円安の影響で価格が変更されています。

最も安く買えたのはSpeed Editorプレゼントキャンペーンで、DaVinci Resolve Studio 17 ¥38,778 を購入するとSpeed Editorが無料で付いてきていたようです。

 

Speed Editorの感想

Speed Editorを軽く使ってみた感想です。

ポジティブ
  • カット編集、トリムが素早くできる。
  • メタルのサーチダイアルは重量感があって触り心地がよい。
  • 専用デバイスが好きなので使っていてテンション上がる。
  • Bluetoothで使えるのが便利そう(有線でしか使ってない)。
ネガティブ
  • ジョグとシャトルが分かれてないので、ジョグが使い物にならない。
  • サーチダイアルにノッチがないので、回転を止めたときにフレームが微妙に動いてしまう。
  • 一般的なPC用キーボードに比べてキーやフレームのプラスチックが安っぽく、物を落としたら簡単に割れそう。
  • DaVinci Resolve以外で使用できないのが残念。

基本的には使用頻度の高いキーがまとまってるので、カットやトリムが素早くできて便利です。
DaVinci Resolve専用のニッチなデバイスと考えると妥当な価格だとは思いますが、使い勝手を損ねるコスト削減も感じます。例えばジョグとシャトルが1つのダイヤルで操作するため、15°に角度を維持したり、0°に戻したりが直感的にできません。
サーチダイアルにノッチ (マウスホイールのようにカチカチと回転がスナップする機構) がないので、1フレームでピタリと止まりません。この使い勝手が気になる人は多い気がします。

ノッチがないのでダイアルを回すと勢いよく回り続けてしまう。1フレームだけ移動したいときに、慣性で微妙に動くことが多い。

DaVinci Resolve Studio を購入するついでにSpeed Editorもゲットしてみるか。くらいのゆるい期待感で購入して、便利に使えたらラッキーくらいの感じがいいと思いました。悪くないけどダイヤルが絶賛するほどは使いやすくなく、60~70点くらいのデバイスです。
SpeedEditorのキーを見ずに押せるようになるほど使用頻度が高くないので、慣れてる左手デバイスにショートカットを設定しても、ある程度効率化できる気がしました。

また、Speed EditorをAfter EffectsやPremiereなど他のソフトでも使用できれば便利だと思いますが、現状は難しいようです。DaVinci ResolveとSpeed Editorは一定間隔で暗号通信してるようで、Windowsでは完全にDaVinci Resolve専用です。
他のソフトでも使用したい場合は、Shuttle PROのようなデバイスの方がいいかも知れません。

 

Speed Editorで何ができるのかは、キー操作のページを作ったので見てください。

 

なぜ DaVinci Resolve ?

DaVinci Resolveを購入した理由を書いておきます。たまにPremiereを使用して編集する機会があるのですが、昔からPremiereが使いにくいと感じていました。

Premiereは普通に映画の編集にも使用されているので、ソフトとの相性や便利な機能を知らないだけだと思うのですが、カット編集したいだけなのにサクサク編集できません。
また、それほど本格的な編集でなくてよいので、簡単に音の編集もしたいと思うことがあるのですが、Premiereはオーディオ系エフェクトが弱いように感じます。

以上の2点から何かいい編集ソフトないかなと探していました。DaVinci Resolveはカット編集が直感的に使えたのと、オーディオ系のエフェクトが多いのがよさそうに感じました。
あとは有償版にしかないAI機能が気になったのと、専用キーボードのSpeed Editorに引かれたというのもあります。専用デバイスはロマンがあっていいよね。

また、DaVinci Resolveに搭載されているノードベースのコンポジット機能「Fusion」は、元々eyeon Softwareが開発していたスタンドアロンのソフト「Digital Fusion」です。2000年前後はAfter Effectsと競合するコンポジットソフトが複数あり、Fusionもそんなソフトの1つでした。
2014年にeyeon SoftwareがBlackmagic Designに買収されてしばらく併売されていましたが、2018年にDaVinci ResolveにFusionが統合されました。
一時期はFusionとLightWaveをバンドル販売していたので、元LightWaveユーザーとしては懐かしいソフトでもあります。

AI系の機能は全部確認できてませんが、Depthはフリッカーが多く想像通り微妙な品質で、動画で使用するのはまだ早いかなという印象です。
Fusionは標準搭載のエフェクトも多く、OpenFXにも対応しているのでAfter Effectsでメジャーなプラグインの多くはDaVinci Resolveでも使用できそうです(OpenFX版を買い直す必要があります)。

USD対応など3Dモデルの読み込みにも積極的なので、基本はカット編集に使いつつ3D関連の成長を見守ろうかなと思ってます。

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