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Unity Runtime Fee ポリシーを変更

先日ゲームのインストール数を基準に追加の支払いが発生する「Unity Runtime Fee」を発表して批判が集まっていましたが、内容を見直したRuntime Feeポリシーが発表されました。
個人開発者やインディー向けの「Unity Personal」「Unity Plus」がRuntime Feeの支払いから除外されたようです。

https://unity.com/ja/pricing-updates

 

Unity Runtime Fee プログラム概要

2023 年 9 月 22 日、Runtime Fee ポリシーに加えられた変更点をまとめたブログ記事を公開いたしました。当該のページを要約し、2023 年 9 月 12 日に公開された Runtime Fee ポリシー内容を更新したものになります。

Unity Personal または Unity Plus プランをご利用の場合、Runtime Fee は適用されません。新しい Unity Runtime Fee は、Unity Pro および Unity Enterprise をご利用のお客様のみが対象となります。

現在サポートされているバージョンの Unity を使用して開発されたゲームは対象外となります。現在 2023 LTS と呼称されている、2024 年(以降)にリリースされる長期サポート版(LTS)を使用して開発されたゲーム、および開発中に対象の長期サポート版にバージョンをアップグレードしたゲームのみが対象となります。
対象となるゲームについては過去 12 か月の総収益が 100 万米ドル以上でかつ、初回エンゲージメント数が 100 万回以上であることの 2 つの条件を満たした場合のみ、Runtime Fee の対象となります。これら 2 つのしきい値を超えた場合、月ごとの初回エンゲージメント数に基づいての支払い、もしくは Runtime Fee が適用される事で月ごとのゲームの総収入から 2.5% 支払うか選択できます。先に挙げた 2 つの金額のうち、低い方をお支払いいただくことになります。

 

主な更新点

Unity Personal:Runtime Fee なし、スプラッシュスクリーンの使用が任意に

Unity Personal プランは引き続き無料でご利用いただけます。また、Personal プランで開発されたゲームは Runtime Fee はかかりません。また、Unity Personal の利用資格に関わる年間の収益および調達金額の上限を 10 万米ドルから 20 万米ドルに引き上げ、これまで必須だった Made with Unity スプラッシュスクリーンの使用を任意とします。これは 2024 年にリリースされる LTS バージョン(現在 2023 LTS と呼称されているもの)以降が対象になります。

 

Runtime Fee の今後の見通し

現在サポートされているバージョンの Unity で作られたゲームはすべて、Runtime Fee の対象外となります。2024 年にリリースされる LTS バージョン(現在 2023 LTS と呼称されているもの)以降のバージョンの Unity で開発されたゲーム、および開発中にそれらのバージョンにアップグレードしたゲームのみが対象となります。

 

エディター利用規約

現在ご利用されているバージョンの Unity で開発されている限り、そのバージョンに適用される利用規約に基づいて引き続き Unity をご利用いただけます。

 

Runtime Fee は自己申告制に

月ごとのベースで、最大 2.5% の収益分配、または一意の初回エンゲージメント数に基づいて計算される金額のいずれか少ない方をお支払いいただく仕組みとなっております。お客様のゲームの初回エンゲージメント数および収益は、お客様の手元にあるデータに基づいて自己申告していただきます。なお、常に少ない方の金額でのご請求となります。

 

 

コミュニティへのご報告

コミュニティの皆様へ

私は Unity エンジンとエディターチームを率いる Unity Create のリーダー、Marc Whitten です。

まず、この言葉から伝えたいと思います。この度は 皆様に混乱を招き、ご不安な思いをおかけしてしまい本当に申し訳ございません。

新しい Runtime Fee ポリシーを発表する前に、もっと多くの皆様と話し合い、皆様からのフィードバックを十分に取り入れるべきでした。このポリシーの目的は、お客様のサポートを現在そして将来にわたって継続し、Unity のゲームエンジンにさらなる投資を続けていくことです。

Unity を支えているのは皆様であり、皆様の声に真摯に耳を傾け、信頼を得るために努力する必要があることを理解しています。私たちは皆様のご意見をお聞きし、それに対応するためにすでに発表したポリシーに変更を加えました。

Unity Personal プランは引き続き無料となり、Unity Personal でビルドされたゲームの Runtime Fee は発生しません。上限を 10 万ドルから 20 万ドルに増額し、Made with Unity のスプラッシュスクリーンを使用する条件を削除する予定です。

過去 12 か月間の売上が 100 万ドル未満のゲームは手数料の対象とはなりません。

Unity Pro と Unity Enterprise をお使いのクリエイターの皆様にも、フィードバックをもとに変更を加えています。

Runtime Fee ポリシーは、2024 年以降にリリースされる次の LTS バージョンの Unity にのみ適用されます。Unity の新バージョンへのアップグレードを選択しない限り、現在配信中のゲームや現在作業中のプロジェクトは含まれません。

私たちは、お客様がお使いの Unity エディターのバージョンに適用される条件を、同じバージョンを使用し続ける限り維持できるようにします。

Runtime Fee の対象となるゲームについては、2.5% の収益分配か、各月の新規エンゲージメント数に基づいて計算される金額のいずれかをお選びいただけます。これらの数字はいずれも、すでに入手しているデータからの自己申告によるものです。ご請求額は常に少ないほうの金額となります。

私たちはクリエイターにとって最高のエンジンを作り続けたいと願っています。私たちは心からこの業界を愛しています。そして、皆様こそがその理由なのです。

皆様からの質問に答えるため最善を尽くすべく、FAQ の更新に加え、9 月 22 日に開催された Jason Weimann 氏がホストを務める動画をご覧ください。

皆様からのたくさんの貴重なご意見、また厳しいフィードバックをお寄せいただき、心から感謝いたします。

Marc Whitten

 

Unity Runtime Fee FAQ

私のゲームは Runtime Fee の対象になるでしょうか?

現在サポートされている 2022 LTS、2021 LTS、2020 LTS の各バージョンの Unity、およびそれ以前のすべてのバージョンの Unity で作られたゲームはすべて、Runtime Fee の対象外となります。なお、Unity 2022 LTS が現在サポート中の最新バージョンになります。Runtime Fee の対象となるのは、2024 年にリリースされる長期サポート版(LTS)、すなわち現在 2023 LTS と呼称しているバージョンおよび、関連するベータ版、TECH ストリーム、LTS リリースを使用して開発された機能、あるいはこれらのバージョンにアップグレードされたゲームのみです。

以下のすべての基準を満たした場合にのみ、Runtime Fee の対象となります。

  • Unity Pro または Unity Enterprise を使用してゲームを開発している場合。
  • 2024 年にリリースされる、Unity の次期メジャーリリースバージョンでゲームを開発している、またはそのバージョンにアップグレードしている場合。
  • ゲームの過去 12 か月の総収益が 100 万米ドル以上でかつ、ゲームがサービス継続期間中に初回エンゲージメントを 100 万回以上行われている場合。

 

Unity 2023 LTS(2024 年リリース予定)以前のバージョンの Unity でゲーム開発をしていますが、リリース時には Unity 2023 LTS またはそれ以降のバージョンを使ってリリースを行った場合、Runtime Fee の対象になりますか?

この例では、Unity 2022 LTS を使用してゲームをリリースされた場合、Runtime Fee の対象にはなりません。2024 年にゲームをリリースする場合に、もしそのゲームが Unity 2023 LTS(2024 年リリース予定)を使用して開発されていれば、Runtime Fee の対象になります。

 

Unity 2023.1 TECH ストリームや、Unity 2023.2 を使っている場合は対象になりますか?

すでに公開されている Unity 2023.1 TECH ストリーム、および現在ベータ版の Unity 2023.2 はともに完成版のゲーム開発をサポートしていません。既に TECH ストリームをダウンロードしてご利用いただいているお客様の中で、ご質問がございましたら、弊社までご連絡ください。Runtime Fee の対象となるのは、2024 年にリリースされる LTS バージョン以降になります。

 

Unity Runtime Fee とは何ですか?

Runtime Fee の対象となるゲームに対して、月ベースで、最大 2.5% の収益分配、または、一意の初回エンゲージメント数に基づいて計算される金額のいずれか少ない方をお支払いいただく仕組みです。

 

Runtime Fee ポリシーにおいて、「初回エンゲージメント」はどのように定義されますか?

Runtime Fee ポリシーの初版では、「インストール」という用語を使っておりましたが、コミュニティの皆様から、この用語の意味するところが不明確であるとのご指摘をいただきました。そのため、「初回エンゲージメント」という用語を測定の単位として用いることといたしました。「初回エンゲージメント」の定義は「特定のエンドユーザーが、1 つの配布プラットフォームにおいて初めて、正常かつ合法的に、Unity Runtime を使用して稼働しているゲームの取得、ダウンロード、またはゲームへの参加を行った瞬間」となります。
※定義は英語版(https://unity.com/pricing-updates)のものがオリジナルとなります。詳細はそちらをご参照ください。

この定義において使われている用語をさらに詳細にご説明いたします。

  • 「特定の」という言葉を使っている理由は、プレイヤーを特定できない場面、例えばゲームイベントの会場など、公共の場所で展示している場合に対する懸念に対処するためです。このような状況の場合、1 名のプレイヤーだけがインストールしたものとみなされます。
  • 「合法的」という言葉を使っている理由は、海賊版や、詐欺的な手法でゲームを取得した人物からの被害によって、皆様が課金されることを防ぐためです。
  • 「エンドユーザー」という言葉を使っている理由は、開発チームによるインストールや、自動化プロセスによるインストール、あるいはゲームの実際のプレイヤーではない人物によるインストールによって、皆様が課金されることをなくすためです。
  • 「初回」という言葉を使っている理由は、プレイヤーが何度もゲームをプレイしている場合、ゲームを再インストールしている場合、あるいは他のデバイスにゲームをインストールしているという場合に、皆様が追加で課金されることを防ぐためです。
  • 「1 つの配布プラットフォームにおいて」という言葉の意味するところは、Runtime Fee による課金は、特定のエンドユーザーがゲームを取得するために使う各々のプラットフォームにおいて、1 回だけ起きるということです。例えば、エンドユーザーが皆様のゲームを 2 つの異なるアプリストアで購入した場合、ストア別に 1 回ずつ初回エンゲージメントとして集計し、報告していただくことになります。一方、エンドユーザーが 1 つのアプリストアで皆様のゲームを購入し、2 つの異なるデバイスで展開した場合、初回エンゲージメント数は 1 回のみと集計されます。

 

自分のゲームの初回エンゲージメント数を測定するために、どのような方法を使えばいいでしょうか?

実際には、ほとんどのお客様はご自身で初回エンゲージメント数を測定することはなく、外部から取得できるデータを使って推定数として初回エンゲージメント数を把握されると考えています。どのようなアプローチを取るのが適切かは、お客様のゲームや配布プラットフォームによると考えます。以下が、Unity が推奨する測定基準の例です:

  • 販売ユニット数:買い切り型ゲームの場合、販売ユニットの販売数が適切な指標となります。エンドユーザーから返金のあったユニット数を差し引くことで、この指標はさらに正確なものとなります。
  • 初回ダウンロードユーザー数:買い切り型ではないゲームの場合、各プラットフォームから初めてゲームをダウンロードした個別のユーザー数を提示してもらえる場合があります。また、初回ダウンロードは各エンドユーザーについて 1 回だけ行われるため、これも適切な指標として用いることができます。

ここに挙げた指標がすべてではありませんが、これらの指標に基づいてご報告いただいた初回エンゲージメント数はいずれも有効な指標として用いることができます。今後、メジャーな配布プラットフォームのパブリッシャー向けダッシュボードで、ここに挙げた指標を見つける方法を詳しく解説したガイドをご提供する予定です。また、皆様のゲームの初回エンゲージメント数を測定する最善の方法を探るために、皆様からのご意見をいただければ幸いです。

 

ゲームがサブスクリプションサービスやストリーミングサービスを通じて配布されている場合、あるいは WebGL アプリケーションとして配布されている場合も、Runtime Fee を支払う必要がありますか?

はい、対象となります。

 

いくつかの配布プラットフォームについて、初回エンゲージメント数を測定するための正確な指標として使えるデータを受け取っていません。その場合、Runtime Fee への計算はどのように行えばいいでしょうか?

このようなケースでは、お客様のゲームが Runtime Fee の対象となるしきい値を超えている場合は、収益分配を支払うオプションを取られることをおすすめします。

 

データを報告する場合はどのように行えばいいでしょうか?

収益、初回エンゲージメント数ともにお客様ご自身でご報告していただきます。今後、お客様ができるだけ容易に報告を行っていただけるよう、お客様やパートナーと協働しつつ、ツールやプロセスの開発を進めてまいります。

 

同じゲームを複数のデバイスにインストールした場合、Unity Runtime Fee の対象となりますか?

同一の配布プラットフォームから入手したゲームの、複数のデバイスに対する初回エンゲージメントは 1 回として集計されます。異なる配布プラットフォームから入手したゲームの場合、初回エンゲージメントはそれぞれ別でカウントされます。

 

あるゲームをインストールして、その後再インストールした場合、初回エンゲージメント数は 2 回としてカウントされるのでしょうか?

いいえ。特定の 1 人のエンドユーザーおよび 1 つの配布プラットフォームの場合、初回エンゲージメントとして集計されるのは 1 回だけです。そのエンドユーザーが初めてそのゲームをプレイした時に集計が行われます。そのエンドユーザーが後からゲームをアンインストールして、再インストールを行った場合に、初回エンゲージメント数が重複して集計されることはありません。

 

Unity Runtime Fee について、割引や個別の特約を受け取ることはできますか?

デベロッパーおよびパブリッシャーの方が、エディター以外に、Unity Game Server Hosting、Vivox、Unity LevelPlay や、その他の Unity のクラウドサービスなど Unity のサービスをご利用されている場合、Unity Runtime Fee のクレジットをご利用できるケースがあります。その場合、開発や運営におけるニーズにより具体的にフィットしたパートナーシップを組みたいとお考えになるゲームのパブリッシャーの方もいらっしゃるかと思われます。その際は、Unity までご連絡いただき、お客様の個別のケースにフィットしたカスタムの特約についてご相談をいただければ幸いです。

 

Unity Runtime Fee を請求される対象は誰になりますか?

お客様がゲームを販売するために、パブリッシャーと組まれている場合があると思われます。Unity の利用規約は、このような場合も、皆様がパブリッシャーを通してゲームを配布できるようにサポートしております。お客様が協業されているパブリッシャー様に、担当の Unity のアカウントマネージャーに連絡していただくことで、 Unity との相互利益をもたらす協業をご提案させていただける場合もございます。

 

契約中の Unity サブスクリプションプランについては、今後も料金を支払う必要がありますか?

はい、対象となります。Unity サブスクリプションプランは、Unity Runtime Fee とは別のものです。

 

ユーザーがデータを提供できない場合、Unity はどのようにして Runtime Fee に関する推計を行うのでしょうか?

基本的にはお客様ご自身でデータを提出いただくことをおすすめしておりますが、お客様がデータをご用意できない場合、お客様がプロジェクトに組み込むことに同意された Unity のサービスを通じて収集された弊社独自のデータや、利用可能な外部のデータを使用します。

 

ゲーム以外のアプリケーションは Unity Runtime Fee の影響を受けるのでしょうか?

現時点では、Unity Runtime Fee は映画、ギャンブル、または教育関連のサブスクリプションプランには適用されません。Unity Industry サブスクリプションプランをご契約されている産業分野のお客様にも適用されません。インダストリーのお客様で、Unity Runtime Fee についてご質問がある方、または Unity Runtime の展開と収益化をお考えのお客様は、担当のアカウントマネージャーまたは販売担当者にお問い合わせください。

 

Unity Runtime はデフォルトで Unity の自社サーバーと通信を行うのでしょうか?

ハードウェア統計が有効化されている場合を除き、そのような通信は行いません。

 

Runtime Fee のグループ A、グループ B の国とはどの国を指すのでしょうか?

グループ A およびグループ B とは、エンドユーザーがエンゲージメントを行った国を表します。グループ A には段階的に料金が適用されます。グループ A には、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スイス、韓国、イギリス、アメリカが含まれます。グループ B には固定の割引料金が適用されます。グループ B には、グループ A に含まれないすべての国または地域が含まれます。

 

Runtime Fee の試算を行う方法はありますか?

以下の画像に、Runtime Fee の概略をまとめてあります。Runtime Fee Estimator(英語・米ドル計算のみ)もお使いいただけます。

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