映画『アリスとテレスのまぼろし工場』のメイキング記事が公開されています。
https://cgworld.jp/article/2311-maboroshi01.html
ストーリーの鍵となる製鉄所の第五高炉は3DCGで表現。外観・内観だけでなく車両や電車、背景のカメラマップなども活用し、奥行き感のある、非常にリッチな質感の背景に仕上がっている。撮影はMAPPAが担当。

美術との密な連携で描き出す第五高炉の3D背景
モデリングに3ds Max、レンダリングにはArnoldを使用している。



テクスチャはSubstance 3D Painterなどで制作。


時間経過の表現に使用した各種レンダリング素材。ライト関連の素材はArnoldでレンダリングし、その他の素材はスキャンラインでレンダリング。




様々な手法で表現した幻想的な煙「神機狼」
「神機狼」は、作画と3DCG、汎用素材を使った撮影処理のハイブリッドで制作。当初は作画だけで進める予定だったが、絵コンテが上がったところで、物量とスケジュールを考慮して一部を撮影側で制作することになった。
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流体シミュレーションで作成した素材を2階調に加工してつくった神機狼の汎用素材。




エフェクトと作画で表現した神機狼。3DCGや作画を用いて表現したカットもある。



ひび割れを介してつながる2つの世界の合成表現







作品のクオリティと効率を上げるMAPPAの取り組み
本作では最終画面をメインスタッフ間で共有するため、撮影作業の指標となる「画面設計」を作成した。
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撮影監督・淡輪氏による撮影作業の指標「画面設計」


MAPPA開発の「スチルビューア」でチェックを効率化。
Webアプリケーション「スチルビューア」。サーバにアップされた過去テイクを含む全カットを任意の条件で一覧表示できる。ムービーファイルはビューア用に最適化されており軽快に再生やコマ送りができるほか、カット情報の表示や撮影のプロジェクトファイルなど、そのカットに関連したファイルへのアクセスも提供している。

第五高炉に差し込む木漏れ日のアニメーション。
建屋内のベースカラーと影素材、光用のフィルタ素材などを合成し、ライトにアニメーションを付けてArnoldでレンダリング。それをライトマスクとして、影が動いていく効果をつくっている。




緩やかに波打ち煌めく水面。




マスクワークで実現する自然なライティング。

印象的なカットでのカメラマップの活用。




80年代の小型乗用車を再現。
車輌のモデルは、セルアニメ調では立体感が伝わりにくいということもあり、アンビエントオクルージョンとリフレクションを載せるリッチな質感を採用。背景に馴染むルックに仕上げられている。


