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Unreal Engine 5.4 リリース

Unreal Engine 5.4 がリリースされました。アニメーション関連機能の強化が面白そう。

https://www.unrealengine.com/ja/blog/unreal-engine-5-4-is-now-available

 

Unreal Engine 5.4 がリリースされました

Unreal Engine 5.4 がリリースされました。このリリースでは、さまざまな業界のゲーム開発者やクリエイターに役立つ新機能の追加、パフォーマンス、視覚的忠実度、生産性の改善が行われました。また、このリリースでは、内部で使用してきたツールセットを提供しています。これらのツールセットは、フォートナイト チャプター 5、Rocket Racing、Fortnite Festival、レゴ フォートナイトの開発およびシッピングに使用されました。この記事では、そのいくつかをご紹介します。

 

アニメーション

キャラクター リギングとアニメーション オーサリング

このリリースでは、Unreal Engine のビルトインのアニメーション ツールセットに大幅な更新を加えました。外部アプリケーションとの間を行ったり来たりするような、手間と時間のかかる作業がなくなり、エンジン内で直接、キャラクターのリギングやアニメーションの作成を迅速かつ簡単に、そして楽しく行えるようになりました。

実験的機能の新しいモジュラー コントロール リグ機能を使用すると、複雑で細分化されたグラフではなく、わかりやすいモジュラー パーツからアニメーション リグをビルドできます。また、自動リターゲットにより、二足歩行のキャラクター アニメーションの再利用する場合、優れた結果を得ることが簡単になります。さらに、スケルタル エディタの拡張機能や、デフォーマー グラフのアクセス性を高める新しいデフォーマー関数スイートも追加されました。

アニメーション オーサリングの面では、ツールをより直感的かつ堅牢にし、ワークフローを合理化することに重点を置いてきました。これには、実験的機能の新しいギズモ、Anim Details の再整理、コンストレイント システムのアップグレードと改善、アニメーション クリップへのアニメーションの追加が大幅に簡素化される新しいレイヤー コントロール リグ機能が含まれます。

一方、Unreal Engine のノンリニア アニメーション エディタであるシーケンサーが大幅に改良され、シーケンサー ツリーのさまざまな側面で可読性と利便性が向上しています。このリリースにおける他の新機能の中には、キーフレームのスクリプト機能もあります。これにより、カスタム アニメーション ツールを作成する際の可能性がさらに広がります。

 

アニメーション ゲームプレイ

以前は実験的機能として導入されていたモーション マッチングが、正式版になりました。この機能は、フォートナイト バトル ロイヤルのバトル中のキャラクター 100 人全員と NPC で実際にテストされており、モバイルからコンソールまですべてのプラットフォームにシッピングされています。

モーション マッチングは、アニメーション機能のための拡張可能な次世代フレームワークです。実行時に複雑なロジックを使用してアニメーション クリップを選択して遷移する代わりに、ゲーム内のキャラクターの現在のモーション情報をキーとして使用して、キャプチャされたアニメーションの比較的大規模なデータベースを検索します。

このリリースでは、このアニメーター向けのツールセットの堅牢化、パフォーマンスの向上、メモリのスケーラブル化に重点を置き、開発者が内部の仕組みを可視化できるデバッグ ツール スイートを追加しました。

またゲームプレイの面では、ゲーム コンテキストを使用してアニメーションの選択を制御できる、要望の多かったツールであるチューザーを追加しました。これにより、システムが変数を使用して選択を通知したり、その選択に基づいて変数を設定してゲームプレイ ロジックに通知したりできるようになりました。

 

レンダリング

Nanite

Nanite (UE5 の仮想化マイクロポリゴン ジオメトリ システム) も、引き続き機能強化が行われています。新しく実験的機能として、元のメッシュを変更せずにレンダリング時に亀裂や隆起などの細かいディテールを追加できる、テッセレーション機能を追加しています。

さらに、Nanite コンピューティング マテリアルによるソフトウェア可変レート シェーディング (VRS) の追加により、パフォーマンスが大幅に向上しました。また、ランドスケープに道路などを作成するのに最適なスプライン メッシュ ワークフローもサポートされるようになりました。さらに、UV 補間を無効にする新しいオプションを追加しました。これにより、頂点アニメート テクスチャをワールド位置オフセット アニメーションに使用できるようになったため、AnimToTexture プラグインが Nanite ジオメトリで動作するようになりました。

 

Temporal Super Resolution

このリリースでは、テンポラル スーパー解像度 (TSR) の安定性とパフォーマンスを強化しました。これにより、ターゲット プラットフォームに関係なく確実に出力が予測可能になります。これには、新しい履歴復活ヒューリスティックによるゴーストの削減や、ピクセル アニメーションを使用するマテリアルにフラグを設定する機能が含まれます。

さらに、TSR の動作の微調整とデバッグが簡単になる新しいビジュアライゼーション モードと、ケーラビリティ設定でターゲット パフォーマンスに応じて TSR を制御できる新しいオプションをいくつか追加しました。

 

レンダリング パフォーマンス

多くの開発者が 60 Hz エクスペリエンスをターゲットにしていることから、UE 5.4 ではレンダリング パフォーマンスの向上に多大な労力を費やしてきました。これには、システムのリファクタリングによる並列処理の高度化や、ハードウェア レイトレーシングへの GPU インスタンス カリングの追加が含まれています。また、これによりプリミティブ タイプの追加や、パス トレーサーの最適化によるメリットも享受できます。シェーダーのコンパイルがさらに最適化され、プロジェクトのクック時間が大幅に改善されました。

ムービー レンダリング グラフ

リニア コンテンツを作成するユーザー向けに、Unreal Engine 5.4 では、実験的機能としてムービー レンダリング キューのメジャー アップデートが行われました。ムービー レンダリング グラフ (MRG) と呼ばれる新しいノード ベースのアーキテクチャにより、ユーザーはグラフを設定して単一のショットをレンダリングしたり、大規模なアーティスト チームの複雑なマルチショット ワークフロー全体にスケールアウトするように設計したりできるようになります。グラフはパイプラインに適しており、スタジオがツールや自動化をビルドするための Python フックが備わっています。

MRG では、長い間要望のあった機能であるレンダリング レイヤーを追加しました。これにより、パス トレーサーとディファード レンダラの両方がサポートされ、フォアグラウンド要素とバックグラウンド要素を分離するといったように、合成後処理用の高品質な要素を簡単に生成できるようになりました。

 

AI および機械学習

ニューラル ネットワーク エンジン

Unreal Engine 5.4 では、ニューラル ネットワーク エンジン (NNE) が実験的機能からベータ ステータスに移行します。NNE はエディタ内アプリケーションとランタイム アプリケーションの両方をサポートしています。したがって、開発者は事前トレーニング済みのニューラル ネットワーク モデルを読み込んで効率的に実行できます。

使用例には、ツール、アニメーション、レンダリング、物理などがありますが、それぞれプラットフォームとモデルのサポートに関して異なるニーズを持っています。NNE は、共通の API を提供することでこれらのさまざまなニーズに対応します。したがって、必要に応じたバックエンドの交換が簡単です。また、サードパーティの開発者がプラグインに NNE インターフェースを実装できるように、拡張フックも提供しています。

 

デベロッパーのイテレーション

クラウドとローカルの派生データ キャッシュ

このリリースの新機能である Unreal Cloud DDC は、 Unreal Engine 派生データ キャッシュ (DDC) 用のセルフホスト型クラウド ストレージ システムです。ユーザーやチームが分散している組織向けに設計されており、パブリック ネットワーク接続を介して Unreal Engine のキャッシュ データを効率的に共有できます。

 

 

省メンテナンスで、安全かつアクセスしやすいソリューションです。これは複数の地域の Unreal Cloud DDC ホスト エンドポイント間でデータを自動的にレプリケートするため、ユーザーは常に最も近い利用可能なエンドポイントに接続できるようになります。このシステムは、OIDC ログインと認証によって保護されています。Epic の AWS で実稼働テスト済みで、Azure のデプロイメント手順も用意されています。

このリリースでは、ローカル DDC の機能強化も行われました。新しい Unreal Zen Storage サーバー アーキテクチャが使用されるようになり、データ調整のパフォーマンス向上、エディタのロード時間と Play In Editor (PIE) ワークフローの高速化、キャッシュ書き込み、削除、データ重複排除の制御の強化を実現しています。

 

 

マルチプロセス クック

Unreal Engine 5.3 でベータ版として導入されていたマルチプロセス クックが、正式版として使用可能になりました。この機能を使用すると、コンテンツを内部 UE 形式からプラットフォーム固有の形式に変換して、追加の CPU およびメモリ リソースを活用できるようになり、ビルド ファーム サーバーまたはローカル ワークステーションからクックされた出力を取得するのにかかる時間を大幅に短縮できます。

Unreal Build Accelerator

このリリースでは、C++ 用のスケーラブルな分散コンパイル ソリューションである新しい Unreal Build Accelerator (UBA) が導入されました。UBA は、 Unreal Build Tool や Unreal Horde のリモート実行 (計算タスク) システムと組み合わせて使用することで、ビルドのコンパイル時間を短縮できます。

現在はベータ版です。このリリースでは、C++ コンパイル ジョブで Windows OS をサポートするようになりました。ネイティブ macOS および Linux のサポートについては、プロセス アイドル検出およびシェーダー コンパイルとともに、実験的機能として追加されました。

 

メディアとエンターテインメント

モーション グラフィック

Unreal Engine 5.4 では、複雑な 2D モーション グラフィックを作成するための専用ツールを備えた、新しいモーション デザイン モードが実験的機能として導入されています。

この専用モードは、プロダクション テストと大手配信者からのフィードバックに基づいて開発されました。モーション デザイナー向けにユーザー エクスペリエンスの向上と生産性の維持を目的として設計されています。3D クローナー、エフェクタ、モディファイヤ、アニメーターなどを含む包括的なツール スイートが用意されています。

 

バーチャル プロダクション

Unreal Engine のバーチャル カメラ ツールのアップデートにより、バーチャル プロダクションを採用している映画製作者はさまざまな恩恵を受けることができるようになりました。今回から正式版となり、既存の iOS プラットフォームだけでなく Android もサポートされるようになりました。さらに、macOS 上の Unreal Engine でも、仮想カメラ ワークフローが完全にサポートされるようになりました。また、モバイル アプリケーションの名前が Unreal VCam に変更され、Apple Store および Google Play で入手できるようになりました。

VR スカウティングの分野では、XR Creative Framework を利用して Oculus や Valve Index などの OpenXR HMD をサポートする、完全にカスタマイズ可能な新しいツールキットを実験的機能として導入しました。それにより、既存のバーチャル スカウティング ツールキットよりもユーザー エクスペリエンスが大幅に向上しました。

ICVFX では、新しい被写界深度 (DOF) 補正機能により、nDisplay によってレンダリングされたデジタル コンテンツの DOF フォールオフ量を映画撮影用のカメラを通して見た時と同じように正確に制御できます。そのため、クローズアップの美しいショットを撮る際に、より優れた結果を得られます。

また、マルチプロセス インナー フラスタムも追加され、ムービー カメラで撮影した映像のレンダリングをより多くの GPU とハードウェア リソースに分割できるようになりました。さらに、SMPTE 2110 のサポートに対して数多くの安定性に関する改善やその他の機能強化も行われており、正式版に近づいています。

Linux のサポート

Linux を使用するスタジオでは、プラットフォーム上におけるエディタの安定性の向上や、実験的機能として Vulkan でレイ トレーシングがサポートされたことによる恩恵を受けられます。

 

服装 シミュレーション

USD インポータ

Panel Cloth Editor に新しく USD インポータが追加されました。これにより、Marvelous Designer または CLO からシミュレーション パラメータを含む衣服のインポートや、リアルタイムでのシミュレーションを可能にする設定が短時間で行えるようになりました。

この新しいワークフローでは、自動シミュレーション グラフの設定、スキニング、また詳細度 (LOD) を作成をすることで、経験がほとんど、またはまったくないユーザーでも Unreal Engine のキャラクターのリアルな服を作成できるようになります。

 

その他の新機能と追加機能

ここでご紹介したのは、Unreal Engine 5.4 の新機能と追加機能のほんの一部にすぎません。すべての新機能と追加機能については、リリースノートをご覧ください。

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