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Unreal Engine が映像用途での使用を有料化

Unreal Engine、Twinmotion、RealityCapture の価格変更が発表されました。これまでゲーム以外の映像用途などでは無料でUnreal Engineを使用できました。今後は年間収益 $100万を超えるスタジオは、Unreal Engine 5.4以降のバージョンを使用する場合にサブスクリプション契約が必要になります。

  • Unreal Engine 5.4 から年間収益 $ 100 万を超えるスタジオは、映像用途などゲーム以外で Unreal Engine を使用するには 1 シート年間 $1,850
  • シートには Twinmotion と RealityCapture の両方が含まれる
  • 年間収益が $ 100 万を超えるスタジオの場合、Twinmotion と RealityCapture はサブスクリプションのみになる。費用は Twinmotion 年間 $445 、RealityCaptureは年間 $1,250
  • ゲーム開発者には影響なし(これまでと同じ)

去年末、Epic Gamesは収益の悪化を理由に従業員の16% 約 830 人をレイオフしました。今回の価格変更は収益の改善を目的とした物のように見えます。

https://www.unrealengine.com/ja/blog/we-are-updating-unreal-engine-twinmotion-and-realitycapture-pricing-in-late-april

 

4 月下旬の Unreal Engine、Twinmotion、および RealityCapture 価格変更のお知らせ

Unreal Engine 5.4 のリリースと同時に、新しいシートベースの Unreal サブスクリプションを導入します。この 1 シートあたり $ 1,850 の新しい価格設定は、ゲームを開発していない年間総収益が  100 万米ドルを超える企業に適用されます。

昨年ニューオリンズで開催された Unreal Fest では、2024年中にゲーム開発以外の業界を対象に Unreal Engine をシートベースのエンタープライズ ソフトウェア価格モデルで提供開始することを 発表 しました。今後の開発に資金を投入するため、このゲーム以外を対象とする新しい価格モデルは 4 月下旬、Unreal Engine 5.4 と同時に開始される予定です。これから詳細をお知らせしますので、ぜひその内容をご検討ください。

今後も Unreal Engine は学生、教育者、アマチュア デベロッパー、年間総収益が$ 100 万に満たない企業では無料で使用することができます。ゲーム デベロッパー向けのライセンス モデルに変更は なく、引き続きライフタイム総収益が $ 100 万を超える製品については 5% のロイヤリティを支払う必要があります。現在と同様に、ゲームによる最初の$ 100 万の収益に対してはロイヤリティが控除され、Epic Games Store を通じて得た収益も全体的なロイヤリティの計算から控除されます。

 

ゲーム以外の業界向けの変更について

この新しいシートベースの Unreal サブスクリプションは、Unreal Engine 5.4 のリリースに伴って行われる EULA (エンド ユーザー ライセンス契約書) の更新の一環として導入されます。シートあたりの年間料金は $1,850  となる予定ですが、一部の国や地域では地域ごとの価格が適用されます。

次の基準をすべて満たす場合にのみ、シートの料金を支払う必要があります。

  • 年間総収益が $100 万を超える企業である
  • ゲームを制作していない
  • サードパーティのエンド ユーザーにライセンス供与し、ランタイム時に Unreal Engine コードに依存するアプリケーションを作成していない

シートベースのサブスクリプションを使用すると、次のようなものを作成できるようになります。

  • リニア コンテンツ (映画やテレビ番組、建築のビジュアライゼーション、放送やライブ イベント向けのグラフィックなど)
  • ランタイム時に Unreal Engine コードを組み込み、サードパーティにライセンス供与されていない製品 (内部または外部で使用される製品コンフィギュレーターなど)
  • 個人ユーザーに直接販売されない没入型エクスペリエンス (テーマパークの乗り物や建築物のインタラクティブなウォークスルーなど)

サードパーティのエンド ユーザーにライセンス供与し、ランタイム時に Unreal Engine コードに依存するゲーム以外のアプリケーションを開発している場合は、ゲーム デベロッパーと同様にロイヤリティを支払う必要があります。ライフタイム総収益が $100 万を超える製品については、5% のロイヤリティを支払う必要があります。

現在、Unreal Engine 5.3 やそれ以前のバージョンを使用している場合は、5.4 に更新するまで価格変更が適用されません。 価格変更は、Unreal Engine 5.3 以前のバージョンをお使いの新規または既存のユーザーには適用されず、Unreal Engine 5.4 以降のユーザーにのみ適用されます。 5.4 以降の計画を確認するには、Unreal Engine のロードマップをご覧ください。

シートは固定ユーザー ベースで購入することができ、管理権限を持つユーザーが必要に応じて組織内の他のユーザーに手動でシートを渡すことができます。

 

Unreal サブスクリプションのシートに含まれるもの

シートごとに、1 人のユーザーが Unreal Engine 5.4 (およびサブスクリプション期間中にリリースされるバージョン) と、エンジン互換性を持つ Twinmotion および RealityCapture の 2 つのクリエイティブ ツールにアクセスすることができます。また、この 3 つの製品を対象とした 30 日間の無料トライアルも提供する予定です。

さまざまな業界のチームが高品質な 3D エクスペリエンスを効率的に構築できるよう、これらのツールをサブスクリプションの一部として提供します。2025年末までに Twinmotion と RealityCapture を Unreal Engine に完全に統合することが私たちの目標です。

Twinmotion は軽量で使いやすいビジュアライゼーション機能を提供することで、デザイナーなどのより多くのチーム メンバーが Unreal Engine ユーザーと同じプロダクション パイプラインとワークフローで作業することを可能にします。つまり、個々のスキル セットに関係なく、チームで同じプロジェクトに取り組める人数を増やすことができます。

RealityCapture は業界トップのデスクトップ フォトグラメトリ ソリューションです。これにより、高解像度のカメラ画像 (スマートフォンで撮影したものでも構いません) やレーザー スキャンを Unreal Engine や Twinmotion のプロジェクトで使用可能な忠実度の高い 3D モデルに変換し、独自のアセットを作成することができます。

これまでと同様に、コミュニティベースのサポートと学習資料は引き続き誰でも、無料で利用することができます。内容については、こちら からご確認ください。

Unreal Developer Network (UDN) による Epic Direct Support は、Unreal サブスクリプションに 含まれません。Unreal サブスクリプション シートを 10 シート以上購入するスタジオまたは企業の場合、Epic Direct Support は、1 シートあたり年間$1,500 の追加料金でご利用いただけます (最低 10 シートから)。

 

Twinmotion および RealityCapture のスタンドアローン製品について

Twinmotion と RealityCapture は個別に購入できますが、今回の更新の一環としてアプリケーションの個別購入向け価格モデルも変更します。

Twinmotion 単体のシートの年間料金は、$445 になります。Twinmotion のシートには Twinmotion Cloud へのアクセスと、サブスクリプション期間中にリリースされるすべてのアップデートが含まれます。

RealityCapture の場合は RealityCapture 1.4 からが対象となり、専用シートの年間料金は $1,250 です。今後、入力画像ごとに支払う Pay Per Input (PPI) の価格モデルの提供は終了します。ただし、未使用の PPI クレジットをお持ちの既存のお客様は、それらを使用することができます。

Unreal Engine と同様に、Twinmotion と RealityCapture はどちらも学生、教育者、アマチュア デベロッパー、または年間総収益が $100 万に満たない会社が使用する場合は、無料で利用できるようになります。

今これらの変更を行う理由

私たちの目標はなるべく多くの人びと、特に始めたばかりの人びとにツールを無料で提供し続けることです。今回の変更は長期的な Unreal Engine の開発を持続させるためのもので、これにより最高かつ最先端のクリエイター ツールをあらゆる業界の大企業、小さなスタジオ、個人などに提供し続けることができます。

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