Windows 11 でClearTypeを無効にする方法について書いてみます。
この記事はデフォルトフォントを使用しつつ、フォントにアンチエイリアシングは欲しいというニッチな目的の記事です。システムフォントを変えてよいならClearType非対応のフォントに変える。または、「スクリーンフォントの縁をなめらかにする」を無効にするでも解決できます。
ClearTypeとは
ClearTypeはWindowsのフォント描画で使用される「アンチエイリアシング技術」です。
一般的にアンチエイリアシングはフォントと周辺の中間色を生成することで、曲線が滑らかに見えるように描画する技術です。
ClearTypeはRGBの三色でアンチエイリアシング処理する技術です。液晶モニターを近くで見ると1つの画素がRGB3色のサブ画素で構成されていますが、ClearTypeのような色のアンチエイリアシングを使用すると、液晶モニターでより滑らかに見えるようになるという技術です。
Windows 7 や Windows 8 の頃からシステムフォントがClearType対応フォントに変更され、Windows エクスプローラー、テキストエディターのテキスト、WebブラウザなどWindowsの多くのフォントがデフォルトで七色に「にじむ」ようになりました。
好みの問題もあると思いますが、スクリーンショットを取って拡大した場合に色が混じるので汚かったり、常にフォントに色収差のようなにじみが発生しているのがわかるので、アナグリフ 3DのようにチラチラするClearTypeは目にうるさく感じます。
ClearTypeを無効にする方法
Windowsの「個人設定」からClearTypeを無効にできます。
個人設定 / フォント / ClearType テキストの調整
「ClearType テキストの調整」をクリックすると「ClearType テキスト チューナー」が起動します。
「ClearType を有効にする」をOFFにし、「次へ」をクリックします。
モニターごとのアンチエイリアシングの調整画面が表示されます。
モニターごとの調整で「次へ」をクリックするとアンチエイリアシングの「強さ」を調整できます。
選択したら戻る事のできないUIと、ClearType を無効にしているのにClearTypeが適用された状態のプレビューが表示されるという雑な設定ウイザードを設定するとClearTypeを無効に出来ます。
「ClearType を有効にする」をOFFにした後、テキストエディターやWebブラウザを再起動するとアンチエイリアシングが七色ににじむ問題が改善します。
ClearTypeを無効にするとアプリケーションメニューのテキストがかすれる
Windows 11では、システムフォントが「Yu Gothic UI」になっています。
このフォントはデフォルで細い書体のため、Windows 11の新しいデザインメニュー系は問題ないのですが、PhotoShopなど古くからあるアプリケーションメニューではフォントが薄く表示され可読性が悪くなります。
本来であれば「ユーザー補助」や「アクセシビリティー」でフォントウェイトを調整できるべきなのですが、Windows 11ではデフォルトでシステムフォントを変更できません。
システムフォントを変更するフリーソフト等を使用して、メニューのフォントを「Yu Gothic UI Semibold」等にすると、フォントのかすれを抑制できます。
本来はフォントを変更しなくとも「ClearType テキストの調整」で対応できるはずなんじゃないの?と思うのですが、調整してもアプリケーションのメニューでは効果が薄いようです。
というかアンチエイリアシングの計算結果が「テキスト黒色+明るい背景色」のときだけフォントがかすれて見える気がします。リニアとsRGBで色空間の変換忘れた時のアンチエイリアシングに似てるので、何かMicrosoftが計算ミスってるんじゃないの?という気がします。
参考
https://atmarkit.itmedia.co.jp/fpc/xp_feature/cleartype/cleartype.html
https://learn.microsoft.com/ja-jp/typography/cleartype/