参考資料

作画キャラと3Dエフェクトが絡む異色のエンディングムービー、アニメ『チェンソーマン』第11話エンディング

アニメ『チェンソーマン』第11話エンディングのメイキング記事が公開されています。

https://cgworld.jp/article/298hs-chainsaw.html

 


初挑戦のアニメEDで見せたVFXスタジオjittoの底力

「とにかく時間がなかったです」とふり返る。逆算すると2日で1カットを仕上げなくてはならないタイトなスケジュールだった。

 

VFXとは大きくちがうアニメの制作ワークフロー

プリビズ制作の後、3DCG制作という大筋のながれは普段の仕事と大きく変わらないが、各工程の成果物のちがいや、間に作画が入ってくるフロー上のちがいを吸収する必要があった。

各カットの3DCGは32bitの連番EXRでレンダリング。AOVはモーションベクターとデプスマップを出力し、Nukeでエフェクトをかけて、作画キャラクターと合わせてチェックに回す。OKカットはAfter Effectsで組み直し、撮影に納品している。

 

情報の密度と精度が高い絵コンテとVコンテ

 

3Dモデルと作画を馴染ませるための工夫

3DCGと作画を合わせるために、まずはキャラクターの3DCGモデルにモーションキャプチャデータをながし込み、アニメーションさせてプリビズをつくる。このプリビズをリファレンスにして作画を起こしていく。主人公のデンジをはじめ、本エンディングのキャラクラーたちは、全て作画で表現されている。

全編にわたって3Dのキャラクターが必要なエフェクトが展開されるため、ほぼ全てのカットで、作画とキャラクターモデルの外形を合わせるために、ロトスコープのような作業でモデルを変形することになった。つまり、まずは3Dモデルから作画を行い、次にその作画キャラクターに合わせて3Dモデルを変形し、最後に3Dモデルからエフェクト素材をレンダリングするというながれだ。

 

3Dモデルを作画に合わせて変形させる

 

3DCGならではのリアルな反射表現

2Dである作画素材を上下反転しただけでは反射として成立しないため、3ds Maxで3Dモデルをレンダリングして反射用素材をつくる

 

モーションブラーで作画と3DCGを馴染ませる

本カットのようにシンプルなモーションブラーやデプスマップを出力する場合は、作画に合わせた3Dモデル変形は比較的ラフな状態に留めても問題なかった

2Dのモーションブラーでは破綻してしまうため、1コマずつロトスコープで変形した3Dモデルに作画をカメラマップして、3DCG上で3Dブラーをかけた

 

カラーで制作しグレーディングでモノクロ化

あえてカラーで制作後、カラーグレーディングを施してモノクロにするという段取りを採用している。

 

3DCGの表現力を活かしたエフェクトと演出

リアル寄りのエフェクトでアニメ表現に新鮮味を吹き込む

 

実写寄りのリアルな3DCGエフェクト

マキマの身体から出るラインは3ds MaxのtyFlowで制作。ラインカラーはモデルに対して作画をカメラマップして抽出している。

 

空中を漂う血液はHoudiniのVellumで表現

血液の変形は200フレーム程度のループで5パターンほどつくり、後で修正しやすいように手動で配置して空中に浮かせた

 

コマ落としに対応できない一部カットはフルコマの作画で対応

作画は基本的には2コマ打ち(12コマ)で描かれているが、3DCGによる背景やエフェクトはフルコマ(24コマ)のため、違和感が出るカットがあった。対応しきれない一部のカットはフルコマで作画することになった。

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