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Modo 17.0 リリース

Modo 17.0 がリリースされました。17の目玉は「メッシュビューオブジェクト」の導入によるパフォーマンス改善と、「OctaneRender」の統合です。OctaneRenderはベータ版には含まれなかったのでサプライズ公開となりました。今回の機能紹介ビデオはmodoのよさが伝わるよいナレーションですね。

https://campaigns.foundry.com/products/modo/whats-new
https://learn.foundry.com/modo/17.0/content/release_notes/17/modo_17.0v1_releasenotes.html

 

3Dクリエイションの未来を築く

新しいModo 17.0で、新しいレベルのパフォーマンスを体験し、クリエイティブな可能性を引き出しましょう。アーキテクチャのオーバーホールと強力なツールパフォーマンスの強化により、Modoはさらに進化しました。

Modo 17.0は、今日のアーティストのニーズに対応すると同時に、将来のイノベーションを可能にするステージを設定します。この新リリースでは、ダイレクトモデリングツール、MeshOps、アニメーション再生、リグとのインタラクションのパフォーマンスを向上させるために、アーキテクチャが大幅に変更されました。さらに、Modo 17.0ではレンダリングも高速化されています。 OTOYのOctaneRender®のPrimeバージョンのおかげで、Modoのパワーと高速GPUレンダリングを1つのパッケージで利用できるようになりました。

 

Modo 17.0の新機能をご紹介します。

ツールのインクリメンタルアップデートでモデリングを高速化

Modoの10種類のモデリングツールとMeshOpsが大幅に高速化されました。これには、VOのシステム全体の変更とツールのさらなる最適化が含まれます。10種類のモデリングツールに適用されたアップデートは、Modoのモジュール性により、追加ツールにも影響を与えます。

 

コアアーキテクチャのパフォーマンス改善でワークフローを高速化

これはModo史上最大のアーキテクチャ変更です。ビューポートでの描画を高速化するシステムを構築し、計算をバックグラウンドスレッドにプッシュする機能を追加しました。これは、Modoが一度に2つのスレッドを活用できることを意味し、将来の追加機能では複数のバックグラウンド・スレッドが可能になるはずです。これは、Modoが最新のメニースレッドシステムをより活用する始まりとなります。

 

モデリング以外にもGPUを活用しよう

Modo 17.0はOTOYとのコラボレーションにより、OctaneRenderのPrimeバージョンを提供します。これにより、アーティストは市場で最も高速で信頼性の高いGPUレンダラーを利用できるようになります。OTOYの登録とライセンスの手続きは、Modoから行うことができます。さらに、OTOYは、シーンをGPUレンダーファームにアップロードし、より合理的な体験を可能にします。Modoプラグインは、DCC用の最も堅牢なOctaneRenderプラグインの1つであり、FoundryはOTOYと協力してその状態を維持することを約束します。

 

Mac ARMで最大50%のスピード向上

Modo 17.0では、Appleシリコン用の新しいネイティブARMバージョンのModoが提供され、Mac用のX86バージョン*のModoをエミュレートする場合と比較して、最大50%のスピード向上を実現しました。

*サードパーティの技術がMac ARMと互換性がないため、一部のアイテムはModo 17.0で使用できません。また、ポーズツールとリターゲティングはNative ARMバージョンでは動作しませんが、メンテナンスおよびサブユーザーの皆様がアクセスできるModo 17.0のX86エミュレートバージョンでは動作します。

 

物理ベースのアドバンストビューポートでより多くの時間を過ごす

Modoのアドバンストビューポートの改良により、アーティストはシェーダツリーに入ることなく、テクスチャのオンオフを切り替えられるようになりました。新しいデフォルトのAVP設定は、環境ライティングとすべてのビューポートライティングを同時に表示できることを意味します。また、ワイヤフレーム描画や、MeshOpハンドルと選択範囲の可視性も改善されました。

 

MeshOpsからの迅速なフィードバック

VOとインクリメンタルアップデートの組み合わせにより、MeshOpsの処理速度が向上し、よりインタラクティブで魅力的な体験が可能になりました。これは2024年に予定されている一連のパフォーマンス・アップデートの最初のもので、Modoのパフォーマンスが継続的に改善される予定です。また、MeshOpsのUXとワークフローのインタラクションの多くも改善しました。

 

デカールをより速く、より簡単に

Modo 17.0では、デカールをより速く簡単に使用できるようになり、複雑なサーフェスにフラットなイメージを最小限の歪みで、UV作成なしでラッピングできるようになりました。VOと組み合わせることで、デカールはこれまで以上に予測しやすく、価値のあるものになりました。

 

PolyHaulの機能強化で時間を節約

PolyHaulはModo 16.1で導入され、複数のモデリング操作を1つの合理化されたツールにまとめました。UIを操作しやすくし、フォールオフと組み合わせて使用することで、精度を最大限に高めることができます。さらに、PolyHaulがモデリングモードの切り替えをどのように処理するかも改良され、高品質なジオメトリが作成されるようになりました。

 

プリミティブスライスの機能強化で素早くブーリアン・パターンを作成

Modo 17.0では、プリミティブスライスでクローンを使用できるようになりました。これは、アーティストが同じ形状の複数のスライスを一度に作成できることを意味し、メッシュに複数のスライスを追加する際の繰り返しの必要性を軽減します。また、長方形や正方形の作業用にコーナー半径が追加され、スライスされるシェイプのコーナーを丸めることができるようになりました。これにより、複数のシェイプやプリセットを切り替えることなく、スライスを素早く調整できます。

 

Mesh Cleanupの強化とFix Gapsで生産性を維持

Mesh Cleanupは壊れたジオメトリを修正し、ギャップを修正する機能を追加しました。これにより、これらの操作を手動で行う必要がなくなり、生産性を維持し、クリエイティブなフローを中断することがなくなります。

 

部分的な放射状整列の作成

放射状整列は、選択範囲を平らな円にします。しかし、アーティストは完全な円ではなく、部分的な半径を必要とすることがよくあります。Modo 17.0では、部分的な放射状整列を作成する機能が追加され、芸術性を向上させるためのツールをよりカスタマイズできるようになりました。

 


 

思ったより早くリリースされてしまった、と言うのが正直な感想です。いつもはリース候補が2~3回公開されるのですが、今回はRC1の後すぐに正式リリースになっています。

今回のバージョンは、modoユーザーが待ち望んだパフォーマンス改善です。新機能は多くありませんが、かなり大規模に影響のある変更が加わっています。

パフォーマンス改善の目玉、「メッシュビューオブジェクト」は以前のライブストリームで詳細が語られていますが、ユーザー操作と内部データを計算するスレッドをわけることで、操作を快適にする物です。
具体的にはツールハンドルを移動すると以前より引っかかりが少なくなり、ポリゴンの編集結果は遅れて描画されます。軽いモデルでは以前と変わらないように感じますが、ポリゴン数の多いモデルでは遅延が長くなります。
メッシュビューオブジェクトによってmodo 17ではポリゴン移動のパフォーマンスが体感できるレベルで高速になっています。また、ジオメトリを作成しないモデリングツールの操作が高速化しています。
この遅延描画は膨大な数のオブジェクトを処理するゲームエンジンや、AfterEffectsで新しく追加された3D機能が似た動作になっています。今後は他の3Dソフトにも採用される気がします。

しかし、メッシュビューオブジェクトの導入は影響が大きかったようで、ベータ版ではダイナミクス、ビューポートの表示オプション、モデリングツールなど多くの機能にクラッシュする問題が出ていました。恐らく正式版でも不具合は取り切れていないと思いますが、すでにmodo 17.0 v2の準備があるようです。17シリーズを通して安定性が16に追いついて欲しいなと思います。

プロシージャルモデリングでは、使用頻度の多い機能のショートカットが使用できるようになってます。マテリアル割り当てなどダイレクトモデリングと同じ感覚で使えるようにする改善です。これは便利そう。

OctaneRenderのPrimeライセンスはLightWaveに統合された物と同じで、「使用できるGPUが 1 つに限定」されています。mPathが事実上の開発停止になり、以前から代替となるGPUレンダラーを用意するという話しが出ていました。modo 17.2のロードマップで「サードパーティレンダラーの統合、何のレンダラーかはまだ言えない」とのことでしたが、思ったよりも早くOctaneRenderが提供されたようです。

modo 17で追加されたOctaneRenderは、これまで販売されていたキットと同じ物ですが、今後はUIと機能をより緊密に統合する計画があるそうなのでHydra統合を期待したいですね。

 

modo 17 リリースのライブストリームが行われています。

  • メッシュビューオブジェクトに対応させたツールの紹介や、ビューポートの強化など、17の変更点を細かく紹介
  • 削除した機能、ロックアイテム、ヘアーマテリアル、Webビュー、Python2、3DConnextion、三目並べコマンドなど
  • 17.1、17.2ではさらなるパフォーマンス改善

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