3ds Max 2024.2 がリリースされました。2023までは年3回のアップデートがありましたが、今年は2回に減ったみたいです。そのぶんアップデート内容が多く見えます。
長い間放置されていたBipedとCATの改善は意外ですね。コントローラのリスト幅や高さが固定で使い難かったUIの改善はありがたいです。
https://help.autodesk.com/view/3DSMAX/2024/JPN/?guid=GUID-3176A998-FEA3-4BCF-9367-EE3BE66CEBB2
[コントローラを割り当て]ロールアウトの更新
[コントローラを割り当て]ロールアウトが一新され、アニメータの作業を効率化するのに役立つオプションが追加されました。パネルの応答性が高まり、コマンド パネルの長さと幅に合わせてサイズが変更されるようになります。選択したノードがツリー ビューのルートとして表示されるようになりました。
[ブール演算]モディファイヤの更新
モディファイヤ スタックでのサブオペランド操作の向上、パフォーマンスおよび OpenVDB 処理の改善、さまざまなバグ修正など、いくつかの[ブール演算]モディファイヤの更新が含まれています。
同一平面上の面のサポート
同一平面オペランド(完全に位置合わせされていて、接触しているがオーバーラップしていない面を持つオペランド)が新しくサポートされたことにより、減算、和、減算、分割、形跡、またはクッキー ブール演算を使用した場合の結果が向上しました。
オペランドで基点情報が保持される
ブール演算オペランドで基点データが保持されるようになりました。オブジェクトをオペランドとして[ブール演算]モディファイヤに追加したときに、その前後でオブジェクトの基点の位置が変わらなくなり、[ブール演算]モディファイヤ内のオペランドの位置/回転/スケールを簡単に操作できるようになりました。
キャプチャされたオペランド操作
[ブール演算]モディファイヤのオペランド リストからキャプチャしたオペランドを選択すると、モディファイヤ スタックに表示されます。これで、モディファイヤスタックの新しい行によって、[ブール演算]モディファイヤの基本オブジェクトが選択したオペランドから分離され、選択内容が視覚的に示されます。切り取り/貼り付け操作がすべてのブール演算オペランドで機能
切り取りおよび貼り付け操作が、キャプチャされたオペランドとライブ オペランドの両方で機能するようになりました。貼り付け操作は、切り取りが本来行われたブール演算モディファイヤで実行する必要があります。
OpenVDB 処理の改善
[ブール演算]モディファイヤの OpenVDB 処理に次の改善が加えられました。- オペランド オブジェクトを介して取り込まれるアニメートされたパラメータのサポート。
- OpenVDB の和、差、または交差の演算を使用する場合、シェルなどのモディファイヤによって生成された中空シェイプが中空のままになります。
パフォーマンスの向上
メッシュベースのブール演算の処理が 35% 高速化されました。
リトポロジの更新
パフォーマンスの向上
リトポロジ化の基本アルゴリズムである Autodesk ReForm が更新され、パフォーマンスと安定性が向上しました。入力メッシュによってパフォーマンスの上昇度は異なる場合がありますが、処理時間は最大 30% 短縮されました。
[コンフォーム]モディファイヤ
[コンフォーム]モディファイアを使用すると、スプラインまたはメッシュを他の 1 つまたは複数のメッシュのサーフェスに移動することができます。 [コンフォーム]モディファイヤはパラメータを使用してアクションを実行するため、最初のコンフォーム操作の実行後に、コンフォーム オブジェクトとターゲッ トサーフェスの関係を変更できます。これにより、曲げやシェイプなどの明示的なモデリングを行うことなくモデルの外観を操作できます。その結果、ジオメトリの荒加工や手動によるリファインの実行など、基本的なモデリング手順が省略されるため、時間を節約できます。
USD for 3ds Max 0.5 プラグイン
USDのサポートが更新されたため、アーティストは USD と 3ds Max のワークフローをシームレスに組み合わせて使用できます。
最新の USD 機能
- USD エクスポータ インタフェースとロールアウトが更新されました。この他に、次のサポートが利用可能になりました。
- スキン/モーファーの USDSkel および USD ブレンドシェイプへの書き出しのサポート
- USD エクスポータでの MaterialX マテリアルのサポート、およびスレートでの MaterialX マテリアルのサポート
- サードパーティの開発者による USD エクスポータの拡張を可能にするMax USD SDK が更新されました。SDK は、オートデスク デベロッパー ネットワークから別途ダウンロードして入手できます。
スプライン シェイプの角度拘束
[スナップ オプション]の新しい [シェイプの角度拘束を有効化]オプションを使用すると、線分または線分オブジェクトの作成時に([Shift]または[Ctrl]キーを押しながら)角度スナップを使用するのに便利なように、ユーザ独自の角度コンストレイントを定義することができます。
カラー管理
OCIO ベースのカラー管理が、Technology Preview フェーズから移行しました。3ds Max のカラーは、入力から出力までをコントロールできるため、エンドツーエンドのカラー管理ワークフローを実現できます。
データ チャネル モディファイヤの追加
- 新しい Maxscript プロセス オペレータが追加されました。このオペレータを使用すると、スクリプトを使用して、他のオペレータでは使用できない方法でチャネル データを処理することができます。
- [データ チャネル]モディファイヤの[プリセット]ドロップダウン メニューから、[要素を分解]、[ソフト選択にマップ](、[ランダム要素のカラー]、[スムーズの押し込み]という新しいプリセットにアクセスできるようになりました。
- [データ チャネル]モディファイヤに、[式 実数]や[式 Point3]などの新しい式エンジンが追加されました。これにより、式と[式コントローラ]ウィンドウを使用して、モディファイヤを通るフローをコントロールできます。
- 新しいサイズ変更ハンドルが[データ チャネル]モディファイヤのオペレータ スタックに追加されました。スタックの高さは、修正したオブジェクトの選択を解除して再選択したとき、または 3ds Max を閉じて再起動したときに保持されます。
[ボリューム選択]モディファイヤの更新
- [ボリューム選択]モディファイヤのパフォーマンスが最大で 10 倍高速になり、より迅速に結果が得られるようになりました。
- [マテリアル ID]と [Smグループ]パラメータをアニメートできるようになりました。
シーン ファイル サイズの縮小
3ds Max 2024.2 でファイルを保存するときに、不要なデータが検出され、保存されなくなりました。以前は、シーンが合成されるか外部参照されるたびに、アニメーション レイヤが蓄積され、巨大ファイルのパフォーマンスが低下していました。
不要なデータは以下のとおりです。
- 空のアニメーション レイヤ、ノート トラック、ノート キー
- 重複するノート トラック キー
- ファイルをロード、作成、リセットしても保持されるノート トラック
その他の改良点
リスト コントローラ UI の更新
- 新しい[追加]オプションと[割り当て]オプションが変換リストに追加され、新しいエントリを追加したり、割り当てられたコントローラを調整したりすることが簡単になりました。
- リスト コントローラのコンテキスト メニューが更新され、[コントローラをコピーして貼り付け]、[コントローラを割り当て]、トラック ビュー、および[ワイヤ パラメータ]オプションが追加されました。このコンテキスト メニューは、[変換リスト]ロールアウトのリスト項目を右クリックすると表示されるようになりました。
- サブコントロール表示、最小ダイアログ サイズについて小さな改善が加えられました。また、次のような改善が行われました。
- セッション間で[コントローラを割り当て]ロールアウトの開いた状態または閉じた状態を保持します
- モーション パネル コントローラ選択インタフェースの改善によりツリー選択をより適切に処理できるようになり、従来のシステムと同じ選択操作が可能になり、また永続的なスクロールやスケーリングが強化されました
- 既にコントローラが割り当てられているパラメータ ブロック エントリが存在する場合に、コントローラをインスタンスとして貼り付けると失敗する問題を修正しました
コントローラのコンテキスト メニューの機能強化
スピナー、モーション コマンド パネルの[コントローラを割り当て]ロールアウト、リスト コントローラなどの領域を右クリックして表示されるコンテキスト メニューに、[コントローラのプロパティを開く]を含む新しいコントローラ オプション グループが追加されました。
更新された式コントローラ UI
他のコントローラの更新に加えて、ベクトル変数を選択すると、[式コントローラ] [コントローラに割り当て]ボタンが[コントローラ/ノードに割り当て]に変わります。
トラックビュー: スクリプト コントローラのパフォーマンスの向上
トラック ビューのスクリプト コントローラの更新間隔が更新され、アニメーション再生のパフォーマンスが大幅に向上しました。スクリプト コントローラを使用してアニメーション データを操作する場合、再生速度が 2 倍に向上しました。
スクリプト エディタ: 選択した単語のハイライト表示
スクリプト エディタで、選択した単語のすべてのインスタンスがエディタ内でハイライト表示されるようになりました。
アセット トラッカー: ネットワーク パスを確認
アセット トラッカーに、新しいオプションの[ネットワーク パスを確認]が追加され(既定では有効)、トラッカーを開いたり更新したりするたびにネットワーク パスを検証します。
モーション軌跡の改善
[モーション パス]と[XYZ 位置]コントローラを[実数リスト]とともに使用すると、位置アニメーションの駆動に使用されるアクティブなサブコントローラ接線がビューポートに表示されるようになりました。スプラインのエンド キャップ マテリアル ID
スプラインのエンド キャップとマテリアル ID を使用する新しい動作が導入されました。
- レンダリング可能なスプラインのエンド キャップは、スプラインの他の部分と同じマテリアル ID を使用するようになりました。
- レンダリング可能なスプラインにマルチ/サブオブジェクト マテリアルが割り当てられている場合、セグメントのマテリアル ID を変更すると、アタッチされたキャップの ID も変更されます。
注: このマルチ/サブオブジェクト マテリアルの更新を利用するには、3dsMax.ini ファイル(C:\Users\<username>\AppData\Local\Autodesk\3dsMax\<year> - 64bit\<language>)の Shapes セクションにある UseFixedRenderableEndCapMaterialID パラメータを UseFixedRenderableEndCapMaterialID=0 に編集して、3ds Max を再起動します。
[UVW アンラップ]モディファイヤの更新
[UVW アンラップ](Unwrap UVW)モディファイヤの Unfold3D ピール、パック、およびリラックス ツールは現在の UV 選択を反映するようになりました。また、ピール、パック、またはリラックス操作は、すべての UV ではなく、選択されたものにのみ適用されます。新しい[カメラ マップ]モディファイヤ パラメータ
[アニメートされたカメラ]パラメータが有効な場合、UV マップの投影はカメラの新しい位置から各フレームで更新されます。ATF 更新
このリリースでは、次の ATF 更新が行われました。
- 従来の SketchUp 読み込みが除去され、既定のインポータが SketchUp 線図 (直線、円弧、ポリゴン曲線、ポリライン、線分など) を読み込めるようになりました。
- 新しい[イメージ品質]オプションが[SketchUp 読み込み設定]ウィンドウで使用できるようになり、一部の SketchUp モデルの読み込み速度が向上しました。
Biped の機能強化
Biped の操作性を向上させるためにいくつかの変更が加えられ、エラーや安定性の問題に対処しています。
- Biped リスト コントローラ UI が更新されました(v2023 と v2024.2 を比較した図を参照)。
- Biped モーション Mixer で再生が遅くなる問題が修正されました。
- エクストラ ボーン間でデータを貼り付ける際に、[貼り付け]と[反対を貼り付け]によってアニメーション カーブにノイズが発生するという競合の問題を解決しました。
- [Biped .BIP ファイルの保存]ダイアログの既定値がフィードバックに基づいて更新されました。
- Biped コンテキスト(右マウス)メニューが更新されました。
CATワークフローの機能強化
この更新プログラムでは CAT が改善され、自動マッピング、マッピングの保存およびロードが正常に機能するようになりました。
さらに、CAT ミラーリングされたマッスル ピボットによってマッスル ストランドが縦方向軸を中心に回転するという長年の問題に対処するため、「CAT マッスルのミラーリング」を含む回避策がドキュメント化されました。
モディファイヤのパフォーマンスの向上
- [Xフォーム モディファイヤ]のパフォーマンスが最大で 1.7 倍になりました。
- [リラックス モディファイヤ]のパフォーマンスが最大で 1.7 倍になりました。
- [プッシュ モディファイヤ]のパフォーマンスが最大 1.5 倍になり、プッシュ適用後にサーフェスの法線も更新されるようになりました。
Arnold for 3ds Max 5.6.5.1
Arnold 7.2.4.1 用の MAXtoA 5.6.5.1 が付属しています。この製品では、GPU レンダリング時のグローバル ライト サンプリングのパフォーマンスの向上、大規模なシーンを修正するときのインタラクティブ性の向上、CPU ベンダー間の数値精度の差の軽減など、、いくつかの機能強化が行われています。
既定のビューポート レイアウト
このリリースの既定のビューポート レイアウトは、単一のパースビューです。これは、以前のリリースの既定のレイアウト(トップ、フロント、レフト、パースの 2x2 のレイアウト)から変更されています。[Ctrl]+[W]キーを使用してビューポート レイアウトを切り替えることもできます
OIIO バージョン 2.4.13.0
OpenImageIO ライブラリがバージョン 2.4.13.0 に更新されました。
OSL
- OSL ファイルでは、#include を使用して、3ds Max に登録されている OSL フォルダのいずれかに別のファイルをインクルードできます。
- [[ string widget = "colorspace" ]]を使用して、カラー スペース パラメータの UI を公開することができます。